救急応需の基幹的問題に関して大阪市消防局のデータをもとに検討した。特に、問題の大きな薬物過量服用の患者に焦点をあてて、その動向や特徴を検討した。過量服用の患者は、1998年には、年間1136人であったのが年々増加して、2009年には1985人まで達した(p<0.0001 for trend)。救急コールから病院までの搬送時間が、薬物過量服用の患者では特に長く、年々悪化しており救急システムに対してますます深刻な影響を与えていると考えられた。しかし、近年、患者数は減少傾向に転じている。その原因は検討中であるが向精神病薬の多剤投与抑制の動きなどと関連しているかどうか注目される。
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