研究課題/領域番号 |
25670777
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
|
研究分担者 |
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10303132)
松山 順子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30293236)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 抗菌性薬剤 / 歯髄 / 歯の再植 / プラーク / アポトーシス / 細胞増殖 / 象牙芽細胞様細胞 / アンキローシス |
研究概要 |
(1)マウス口腔内プラーク常在菌叢の網羅的解析 ICRマウス口腔内からプラークを採取し、常在菌叢の網羅的解析を行った。生後3、6週齢及び9ヶ月齢マウスプラーク試料のコロニーから細菌量(CFU)は、それぞれ平均(8.9±11.4)×105、(1.7±3.2)×105及び(4.7±4.7)×103であった。3、6週齢の優勢菌は、それぞれEnterococcus(53%、31%)、Escherichia(19%、26%)、Lactobacillus(17%、21%)、Lactococcus(8.5%、8.3%)であった。一方、9ヶ月齢では、Lactobacillus(83%)、Lactococcus(8.6%)が優勢であった。。 (2)抗菌性薬剤(3Mix)を用いた外傷歯の歯髄再生療法の基盤研究 マウスを用いた意図的歯の遅延再植への3Mixの応用実験を確立し、歯髄と歯根膜の治癒過程への3Mixの効果を検索した。3週齢ICRマウスの上顎第一臼歯を抜歯後、異なる濃度の3Mix溶液またはPBSに浸漬した後5~60分後に抜歯窩に再植し、術後7~21日後の歯髄・歯根膜治癒過程を検索した。PBS群では、術後1週にアポトーシスが亢進し、2週で細胞増殖が亢進し、3週で第三象牙質または骨様組織形成が起こった。一方、3Mix群では、Ki67陽性及びTUNEL陽性細胞の出現に引き続き術後1~2週でnestin陽性の新たに分化した象牙芽細胞様細胞が歯髄・象牙質界面に並び始め、歯髄治癒が促進されることが示唆された。しかしながら、3Mix群では重篤なアンキローシスが惹起され、再植前にPBSで洗浄することで歯根膜の生存を回復することが示されたが、歯髄治癒効果は減弱した。以上、3Mixの応用は意図的歯の再植後の歯髄治癒を促進するが、その使用は歯根膜組織に重篤なダメージを与える可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度予定していた二つの研究計画であるマウス口腔内プラーク常在菌叢の網羅的解析及び抗菌性薬剤(3Mix)を用いた外傷歯の歯髄再生療法の基盤研究に関しては、ほぼ実験を終了しており、概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
マウス露髄感染叢の菌叢の網羅的解析と抗菌性薬剤の効果の実験を開始する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度に開始予定の「マウス露髄感染叢の菌叢の網羅的解析と抗菌性薬剤の効果」の予備実験を次年度に開始することとしたため。また、歯髄幹細胞マーカー抗体を次年度に購入することとしたため。 26年度に「マウス露髄感染叢の菌叢の網羅的解析と抗菌性薬剤の効果」の予備実験を開始し、歯髄幹細胞マーカー抗体を購入する。
|