本研究では、Gemininタンパクのユビキチン分解制御異常による過剰発現と癌化との関与を検討した。Thr25のリン酸化によって安定化したGemininは、Cdt1のクロマチンへのローディングを阻害することにより、G1期における複製前複合体形成を阻害した。癌細胞株において、Gemininのリン酸化異常による過剰発現は認められなかったが、いくつかの癌細胞株が恒常的にリン酸化を示すことが明らかになった。以上のように、GemininのThr25のリン酸化によるユビキチン分解阻害が及ぼすGemininタンパクの過剰発現が、DNA複製異常を介して、どのように癌化に寄与するかを検討した。
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