本研究では、まず、胎齢9.5日のラット胚の長期全胚培養法を確立し、以下の実験を行った。前方中軸中内胚葉(AME)の除去実験では、AMEが鼻上皮の発生関連遺伝子(Fgf8やBmp2等)の発現に関与し、SHHの中和抗体(5E1)の適応では、SHHが鼻上皮の神経発生関連転写因子(Nkx2.1等)の発現に関与することが明らかになった。対照的に、Gli3のK.O.マウスでは、GnRHニューロンは鼻上皮由来の鋤鼻器中で分化していたが、摂食中枢近傍の視索前野への移動が阻害されていた。これの結果からAMEはShh→Gli3カスケードを介して、GnRH-ニューロンの移動の場の形成に関与すること明らかになった。
|