研究課題
Transient Receptor Potential Vanilloid Type 1 (TRPV1)チャネルは赤唐辛子の成分であるcapsaicinの刺激により開口し、Na+、Ca2+、K+などの陽イオンを通過させる。Mouse TRPV1 (mTRPV1) チャネルをHEK293細胞に一過的に発現させ、パッチクランプ法ホールセル法を用いて保持電位-60 mVにおいて濃度―反応関係を記録した。capsaicinの閾値は0.03 μMであり、EC50は0.22 μMであった。TRPV1チャネルは上記陽イオンを通過させるが、どの程度の大きさの分子を透過させて細胞内に入れることが出来るかを調べるために、シナプスにおけるベシクルリサイクリング観察に用いられている蛍光色素FM1-43を用いた。FM1-43は分子量が452 Daである。電気生理学的実験と同様にmTRPV1をHEK293細胞に発現させて、FM1-43 (10 μM)存在下で1 μMのcapsaicin刺激を行なった。FM1-43の細胞への取り込みはB励起を用いてFM1-43を励起し、510-550 nmのバンドパスフィルターで得られた蛍光強度で評価した。Capsaicin刺激を5分行ったところmTRPV1発現細胞の蛍光強度がコントロール細胞に比べて有意に上昇した。Capsaicinの処置時間を20分に延長すると更なる蛍光強度の増加が見られた。興味深いことに細胞外のCa2+を除去するとFM1-43の取り込みは抑制された。以上の結果より、細胞外のCa2+がイオン通過路内径に影響を与えることが示唆された。
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