研究課題
口腔癌細胞株を用いて、臨床口腔癌組織で観察された「ワールブルグ効果(グルコース利用と乳酸産生の亢進)」および「グルタミノリシス(グルタミン代謝の亢進)」が実際に再現するかどうかを検証した。培養した口腔癌細胞株をグルコースおよびグルタミンを含む溶液に再懸濁し、pH低下に対するアルカリ滴定量から乳酸産生量を推定した。その結果、口腔癌細胞は本条件で酸を産生することが分かった。さらに、これまでのメタボローム解析の詳細な解析から、口腔扁平上皮癌細胞では、グルコース取込系酵素、乳酸脱水素酵素、グルタミナーゼの活性増加、及びピルビン酸脱水素酵素の活性減少が生じていることが推測された。以上のことから、口腔扁平上皮癌細胞においては、少なくともこれらの酵素タンパクの発現調節あるいは転写後調節を介して、グルコースから様々な生体合成基質を調達し、一方では、不足するエネルギーをグルタミン分解に伴う基質準位リン酸化および酸化的リン酸化によって補っていることが示唆された。前年度の成果については、英文論文として公表した。本年度の成果については、さらなる検討を加えた後、学会および学術誌において公表する予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)
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