研究課題/領域番号 |
25670789
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 隆史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (50367520)
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研究分担者 |
吉田 篤 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90201855)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | レム睡眠 / 咀嚼リズム発生機構 / 顎運動 / 運動調節 / 神経回路 |
研究概要 |
レム睡眠中にリズムを有する顎運動が発生する睡眠関連疾患は複数ある。また、げっ歯類などの実験動物では、レム睡眠中に顎筋のtwitchがリズム性の活動を示すことを報告した。しかし、レム睡眠中に顎筋がリズミカルに活動(Rhythmic jaw muscle activity: RJMA)する中枢神経機構は未解明である。H25年度は、これまで我々が開発してきたモデル動物を用いて、ノンレム睡眠中に錐体路を連続電気刺激して、レム睡眠中にRJMAを誘発することを試みた。その結果、安静覚醒やノンレム睡眠でRJMAをほぼ100%誘発できる刺激強度をレム睡眠で用いても、安静覚醒やノンレム睡眠のような顎筋活動を誘発することはできなかった。しかし、刺激中に、単一の刺激パルスに対する短潜時応答を認めることがあった。また、電気刺激を与えるとRJMAを誘発できる大脳皮質運動野や感覚野の複数の領域に順行性トレーサーを注入して、刺激を加えている錘体路を通過する神経線維の投射先を調べたところ、一部の領域からレム睡眠の調節に関与する中枢神経領域付近への投射を認めた。以上の結果から、レム睡眠のRJMA発生に大脳皮質が関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自然レム睡眠中の実験動物の錘体路刺激に対する、レム睡眠中の開閉口筋活動の応答様式についてのデータが得られ、さらに一部リズム性の活動を誘発できる条件がある可能性がわかり、さらにこの応答に関与すると思われる大脳皮質からの下行投射のデータも得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度同様に、自然レム睡眠において、中枢神経系の電気刺激によってRJMAsを誘発して応答特性を調べると同時に、末梢神経刺激を用いて開口反射や咬筋たんシナプス反射による開閉口筋の応答特性を調べる。そのうえで、末梢入力に関わる神経回路と、中枢神経からの出力に応答する神経回路の興奮性の違いを調べる。また、神経トレーサの注入実験によって、上位中枢と運動ニューロン周辺の中枢神経回路と連絡を調べて、レム睡眠でRJMAsの制御に関与する神経網を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に予定していた実験を、新年度に持ち越して実施することにしたため。 実験動物、消耗品の購入。
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