ヒトや実験動物のレム睡眠中にリズムをもつ顎の運動が生じる機構はわかっていない。本研究では、大脳皮質と咀嚼リズム発生に関わる脳領域への連絡を調べ、その連絡路である皮質下行路をレム睡眠中の実験動物で連続電気刺激すると、覚醒やノンレム睡眠と比較して強い強度の刺激であれば開口筋群にリズム性活動を誘発できることがわかった。したがって、レム睡眠中に咀嚼リズム発生機構を駆動させることができ、大脳皮質からの興奮性入力が一定以上の強度になり、運動ニューロンに対する抑制を凌駕する状態になれば、リズム性顎筋活動を発生しうる可能性が示唆された。
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