小胞体の健康状態が低下した際には、小胞体内に不良タンパク質が蓄積する。このことを利用して、小胞体内腔に蛍光タンパク質GFPを発現させ、その蓄積量を経時的にモニターすることで、小胞体の品質管理を定量化することを目指した。そのための技術的ハードルとして、通常小胞体内は酸性のためシステイン間のジスルフィド結合を有するGFPは立体構造が緩み蛍光強度が下がる。この問題点を解決するため、システインを持たないGFP変異型[GFPCys(-)]の作成を行った。これによって得られるプローブを、各種細胞に遺伝子導入し小胞体の状態をモニターし、生細胞における小胞体ストレス状態の可視化に成功した。
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