研究課題/領域番号 |
25670791
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
自見 英治郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
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研究分担者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (40316154)
福島 秀文 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (70412624)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | NF-kBのリン酸化 / 生活習慣病 / インスリン抵抗性 / 肥満 |
研究実績の概要 |
内臓脂肪型肥満は糖尿病、高脂血症や高血圧などの生活習慣病に共通の基盤病態であり、特に脂肪組織の慢性的な炎症性変化がその原因と考えられている。また、疫学調査などから、環境的要因が遺伝子に影響することで、成人期に発症する生活習慣病の「 かかり易さ」に関わることも報告されている。転写因子NF-κBは炎症性サイトカインの発現など様々な遺伝子の発現を調節する。近年、NF-κBのメインサブユニットであるp65のリン酸化がエピジェネティックな遺伝子発現に関わることが報告されている。我々はp65の536番目のセリン残基(マウスでは534番目)をアラニンに置換した機能抑制型のノックイン(S534A)マウスを作製した。S534Aマウスは野生型マウスと比較して著明な表現系を示さなかった。通常食を与えると生後5週目から野生型マウスと比較して若干の体重増加が認められたが、高脂肪食を与えると野生型マウスでは5週間に約10 gの体重増加したのに対し、S534Aマウスでは約20 gの増加が認められた。さらに高脂肪食を与えるとS534Aマウスでは脂肪体積の増加と肝臓の重量増加が認められた。また、S534Aマウスでは肝臓での炎症性サイトカインIL-6やTNFα のmRNAの増加が認められた。S534Aマウス由来の線維芽細胞は野生型マウス由来の線維芽細胞と比較して脂肪分化が亢進した。さらにインスリン刺激によるAktの活性化がS534A MEFでは減弱した。以上の結果より、S534Aの変異はインスリン抵抗性になることが示唆された。
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