研究課題
単球系細胞から破骨細胞への分化には、骨芽細胞が発現するM-CSFとRANKLが必須である。また、M-CSF受容体リガンドとして、IL-34が発見された。一方、ミクログリアは、アルツハイマー病の病因であるβアミロイドを貪食し病態を改善する役割を担う。IL-34は、ミクログリアの生存や活性化を促進し、アルツハイマー病の病態改善に寄与することが報告されている。我々は活性型ビタミンDは、in vivo、in vitroの骨や脾臓の細胞において、IL-34の発現を上昇させることを見いだしていた。活性型ビタミンD投与によるIL-34の発現上昇の作用点について解析した。全身的な活性型ビタミンDの投与は、脾臓で最も顕著な発現上昇を認め、骨においても発現上昇が認められたが、脳においてはわずかな発現上昇を認めるのみであった。一方、皮膚においては反対にIL-34の発現低下が認められた。脳におけるIL-34の発現上昇をもたらす活性型ビタミンDを探したが、そのような誘導体は見出せなかった。したがって、活性型ビタミンDは脳血液関門により脳内への移行が制限されていると考えられた。次に安全に脳へ活性型ビタミンDをデリバリーするための系の立ち上げに着手した。ラムダ縫合より薬剤入りハミルトンシリンジに連結した針を頭蓋骨に沿わせるように刺すと、くも膜下腔に薬剤が注入され、安全に脳へ薬剤がデリバリーされた。しかし、脳内活性型ビタミンD投与により明らかなIL-34の発現上昇は見出せなかった。
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J. Bone Miner. Metab.
巻: 33 ページ: in press
Scientific Reports
巻: 4 ページ: 1-8
10.1038/srep04493.