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2013 年度 実施状況報告書

放射線照射後の口腔癌における再発起源癌幹細胞の同定とその特性解析

研究課題

研究課題/領域番号 25670796
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

三浦 雅彦  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10272600)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード蛍光イメージングージング
研究概要

本研究は、放射線治療後、腫瘍内のどの部分から再発が起こるのかを明らかにする目的で、低酸素領域に存在する増殖活性の低い癌幹細胞、腫瘍血管に存在するとされる増殖活性の高い癌幹細胞のどちらが原因となるかを、蛍光イメージング技術を利用することにより、再発領域を同定しようとするものである。本年度は、まず、舌癌細胞株であるSAS細胞を用いて、G0/G1期に赤色蛍光を、それ以外の期に緑色蛍光を発するFucciプローブ発現細胞株の樹立を目指した。両方を同時発現する細胞は得られず、一方のみを発現する細胞株を樹立した。現在、両方を発現する細胞株の樹立に向けて研究を進めている。一方、HeLa細胞では、両方のFucciプローブを発現した細胞、緑色蛍光または赤色蛍光を恒常的に発現する細胞が得られている。そこで、これらの細胞株を用いてスフェロイドを作製し、放射線照射後の個々の細胞の生死を、蛍光顕微鏡で経時的に観察した。照射前には、個々の細胞核が蛍光によって明確に観察可能であったが、5Gy照射後、細胞死によって次第に蛍光を発する細胞の数が減少していった。照射22日後まで観察したが、特に外層と内層で残存細胞数の個数に大きな違いは認められなかった。これ以降では、スフェロイドが崩れる傾向にあった。形態を維持する工夫をして、さらに長期間観察することにより再増殖が検出できる系を確立する必要がある。照射後、数日間の観察においては、単層培養系に比べてG2アレストが著しく遷延することを初めて示し、国際論文として報告した。チャンバーをマウスの背中に取り付け、腫瘍の増殖を観察する系も用いたが、十分に腫瘍が成長せず、消失してしまうという問題が生じた。こうした中、本学の動物施設が、改修のため1年間閉鎖されることとなり、十分な数のマウスを使用できなかったため、次年度に再開する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定よりも早く本学の動物実験施設の改修工事が始まり、動物実験に関しては、十分な数のマウスを使用することができなかったため、やや遅れが生じた。平成26年7月の再開後、動物実験を継続する予定である。スフェロイドについては、HeLa細胞をもちいた研究で進展が得られている。

今後の研究の推進方策

スフェロイドについては、2種類のFucciプローブを発現した口腔癌細胞株の樹立を急ぎ、再増殖まで観察できる系を確立する。また、スキンチャンバーを用いて観察する系については、東京大学工学研究科の片岡教授のグループとコンタクトをとり、そのノウハウを教示して頂いているところである。この系を用いて、当初の計画を実施する予定である。

次年度の研究費の使用計画

マウスの背部皮膚にチャンバーを設置して腫瘍を移植した後、照射を行う実験を計画していたが、動物実験施設の施設改修が行われることとなり、この種の実験ができなくなったため、マウスを用いた十分な検討ができなかった。
動物実験施設が平成26年7月から再開するため、マウスを用いた実験を早々に始める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Visualizing the effect of tumor microenvironments on radiation-induced cell kinetics in multicellular spheroids consisting of HeLa cells2013

    • 著者名/発表者名
      Kaida A, Miura M
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun,

      巻: 439 ページ: 453-458

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2013.093

    • 査読あり
  • [学会発表] 放射線照射後の腫瘍細胞動態の可視化から見える腫瘍微小環境が生み出す新たな放射線抵抗性機序の可能性2014

    • 著者名/発表者名
      三浦雅彦
    • 学会等名
      第16回癌治療増感研究シンポジウム
    • 発表場所
      猿沢荘(奈良市)
    • 年月日
      20140207-20140208
    • 招待講演
  • [学会発表] Fucciによる放射線照射後のスフェロイド内腫瘍細胞動態解析2013

    • 著者名/発表者名
      三浦雅彦
    • 学会等名
      日本動物実験代替法学会第26回大会シンポジウム
    • 発表場所
      京都テルサ(京都市)
    • 年月日
      20131219-20131221
    • 招待講演
  • [学会発表] Biological Response after Radiation Exposure2013

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Miura
    • 学会等名
      The3rd Asian Congress of Radiation Research
    • 発表場所
      Beijing International Convention Center(北京・中国)
    • 年月日
      20130510-20130513
    • 招待講演
  • [学会発表] Potential utility of Fucci in radiobiology

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Miura
    • 学会等名
      KIRAMS Symposium 2013. For better understanding of radiation signaling in cancer
    • 発表場所
      Korea Institute fo Radiological and Medical Sciences(ソウル・韓国)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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