研究課題/領域番号 |
25670804
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 英彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90205998)
|
研究分担者 |
松田 康裕 北海道大学, 大学病院, 助教 (50431317)
中沖 靖子 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50302881) [辞退]
川本 千春 北海道大学, 大学病院, 助教 (60301909)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 象牙質劣化 / pHサイクル |
研究実績の概要 |
抜去歯牙をラウンドバーで切削し、象牙質、歯随、歯根膜を試料として、DNA抽出キットを用いてDNA抽出を行った。得られたDNAはハウスキーピングジーンであるglyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase (GAPDH) と beta-actin (ACTB) に特異的なプライマーとSYBR greenによるリアルタイムPCRによって定量し、ヒトゲノムのDNAであることを確認した。 フッ素は歯質の耐酸性の向上だけでなく、MMP阻害剤としても機能する。フッ素含有の歯面コーティング剤による耐酸性の向上と、フッ素の取り込みについて、自動pHサイクルを用いて検討を行った。Transversal Microradiography (TMR) 方によるミネラルプロファイルを用いて脱灰抑制効果を分析した。またmicro-particle-induced gamma / X-ray emission (Micro-PIGE/PIXE)を用いて歯質へのフッ素の取り込みを分析、検討した。フッ化物含有コーティングによって脱灰抑制効果が認められた。歯質表面にフッ素の膜が認められたが、その分布はやや不均一であり、コーティング剤の塗布条件によってフッ素の分布にばらつきが出来ることが示唆された。高濃度にフッ素が局在している領域は3000ppm程度で、MMPの活性を阻害するのに十分な濃度であった。フッ素含有塗布剤の塗布により、う蝕抑制効果と合わせてMMP活性阻害による象牙質の劣化抑制が期待される事が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MMPのSNPと象牙質の劣化の関連性を検証するために必要な、クオリティが近い歯牙収集を十分な数を確保することが困難となっており研究の進行がややおくれている。
|
今後の研究の推進方策 |
MMPのSNPをノックアウトしたマウスを用いて研究の遂行を行うことも検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
DNA抽出とPCRの試薬の購入を検討していたが、使用状況と使用期限を考慮し、次年度に購入することとしたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
DNA抽出とPCRの試薬の購入し研究を遂行する予定である。
|