研究課題/領域番号 |
25670806
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島内 英俊 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70187425)
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研究分担者 |
石幡 浩志 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40261523)
根本 英二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40292221)
金谷 聡介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80375097)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 歯周組織再生 / 機能的スキャフォールド / 歯髄幹細胞 / ナノ化ハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
本研究の目的は、未分化な組織幹細胞を含む歯髄幹細胞(DPSC)を用いて、細胞にインタラクティブな人工生体材料併用による大規模歯槽骨造成法を確立しようというものである。研究期間内に、1)歯髄幹細胞(DPSC)に対する新規チタン製バリヤフィルターのbiomimeticsによる作用、2)nano-HAによるDPSCの増殖分化誘導作用、3)ビーグル犬規格骨欠損モデルを用いたnano-HA+DPSCグラフトとバリヤフィルター併用による歯槽骨再生効果について明らかにすることを目指す。本年度については、ビーグル犬歯槽骨欠損モデルを用いて、新規チタンメッシュバリヤーがいかなる歯槽骨再生効果を発揮するかについて、従来型のポリマーあるいはチタンメンブレン(Frios Bone Shield)と比較検討した。その結果、①チタンメッシュはポリマー製メンブレンを上回る4ヶ月間という長期間生体内耐久性を有し、その期間スペースメイキング機能を発揮した、②従来型チタンメンブレンと比べて約3割増の歯槽骨再生効果を示すことを明らかにし、細胞治療併用への有効性を明らかにした。幹細胞の含まれる歯小嚢細胞の増殖応答を小孔のピッチに応じて刺激するという結果が得られ、種々の組織幹細胞の増殖を刺激することが示された。まずCa濃度がDPSCや歯小嚢細胞などの幹細胞に及ぼす影響を検討し、その結果Ca濃度の増加によりBMP-2及びFGF-2の発現を選択的に誘導するという結果が得られた。一方、nano-HAによるヒト歯根膜細胞からのBMP-2産生増強はp38-MAPK経路に依存するという結果が得られており、これを学会発表した。DPSCでもNano-HAのparticleとしての作用がみられるという所見は得ているが、Ca濃度とのシグナル経路の違いについて引き続き検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DPSCを用いたin vitroでの機能解析にやや遅れがあるものの、in vivoにおけるチタンメッシュメンブレンによるバリヤー機能の検証は予定より進んでいる。またnano-HAあるいはCaイオンによるシグナル伝達経路については情報が集積されたことから、DPSCを用いた解析に当たって概ね方向性が明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
DPSCにおけるCa濃度及びnano-particleによる増殖応答及びそのシグナル伝達経路について解析を進めた上で、動物実験を進行させる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初備品として購入予定であった蛍光顕微鏡用カメラについて別予算での購入が可能となったためこの支出を削除したことによる。 平成26年度は動物実験を本格的にスタートさせるが、ビーグル犬は高価であったため当初最小限に見積もっていたが、個体数を増加させることが可能になる。また試薬・抗体等で既存のものを消費してしまったのでその補充に充てる予定である。
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