研究実績の概要 |
日常臨床において、根管治療によっても治癒しない難治性根尖性歯周炎にしばしば遭遇する。その難治性根尖性歯周炎の原因を探るべく研究がすすめられた結果, 根尖孔外に形成されるバイオフィルムが主たる原因であることが明らかとなってきた。一方, 根尖部歯周組織に生じる炎症や, 炎症に伴い生じる歯槽骨の吸収は, バクテリアの侵入に対する宿主側の免疫応答によって生じることがわかっている。このことから難治性根尖性歯周炎の原因を理解するためには, バクテリア側の要因のみならず, 宿主側の要因についても目を向ける必要性がある。そこで本研究は, 難治性根尖性歯周炎罹患歯を有する患者からゲノムDNAを調整し, 炎症性サイトカインや破骨細胞の分化に関連すると報告されている遺伝子群についてのSNP解析を行うこととした。そして, 得られたデータを統計処理し, 発症に対する遺伝的バックグラウンドの関連性(リスク)について解析すれば, 難治性根尖性歯周炎の遺伝子診断への応用につながると考えている。平成26年度は, 健常者5名と難治性根尖性歯周炎と診断された7名の患者からゲノムDNAを採取した。本年度は,更なるサンプルの採取をおこない, 各々10サンプルの採取を目標として, 引き続きサンプルの収集を行う予定である。
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