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2013 年度 実施状況報告書

石灰化に影響する微量元素ホウ素の骨芽細胞増殖・分化にはCaイオンチャネル系が関与

研究課題

研究課題/領域番号 25670812
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関長崎大学

研究代表者

林 善彦  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20150477)

研究分担者 山田 志津香  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00363458)
藤原 守  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40336178)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードホウ素 / 石灰化 / 骨芽細胞 / Caイオンチャネル
研究概要

すでに、我々の教室では、4-META/MMA-TBB系レジンシーラーの溶出成分の培養骨芽細胞への影響を検討した実験結果からTBBの構成成分ホウ素 (B) に注目し、現在培養骨芽細胞増殖・分化へのBの影響を検討する実験を開始している。
至適ホウ素濃度は、NOS-1(ヒト骨肉腫由来骨芽細胞株)細胞をつかった低濃度TBBを培地に添加したMTT実験結果から、0.125mM添加無血清α-MEM培地で細胞の増殖傾向を確認できたので、今回はホウ素を0.1mM培地に添加した。次に、0.1mMホウ素を添加無血清α-MEM培地でNOS-1細胞 (1.517×106 / 60mm dish) を3日間培養した。使用したマイクロアレイは、GeneChipHuman Genome U133 Plus 2.0 Array (Affinity社)で、Expression ConsoleTMを用いて、RNAアルゴリズムによる数値化を行った。また、数値化後のシグナル値をquantile法により正規化した。
マイクロアレイ解析によって、Zスコアが2.0以上に増強している遺伝子が8個確認できた (CFDP, SDF4, MAP2K1, CTNNA1, COL1A1, CACNA1A, AKT1, AKT2)。いづれも、細胞の増殖、分化と関連した遺伝子である。マイクロアレイ解析時と同条件で細胞を播種し、培養3日目にTRIzolⓇ試薬(Invitrogen)内で細胞を回収しtotalRNAを抽出した。total RNNからDNAを合成し、RT-PCR (Mx3000P, Strategene) 解析を行った。RT-PCR解析の結果、初めの7個の遺伝子は1.2倍以上に発現の増強することも確認できた。今回、初めてホウ素を培地へ添加することで、培養骨芽細胞の増殖・分化を促進することを直接確認することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養骨芽細胞への至適濃度決定し、その濃度を培地への添加しマイクロアレイ解析を実施した。その結果、予想通り増殖/分化と関連する遺伝子の発現が増強することを確認できた。さらに、RT-PCR解析によって、発現の増強した遺伝子の発現比の増加を確認できた。
以上のように、当初の予定通りBによる骨芽細胞活性化への遺伝子レベルでの解明が順調に進めることができている。

今後の研究の推進方策

細胞の増殖/分化という現象では、細胞内のCaイオン濃度の変化(増加)が必ずともなう。そこで、細胞レベルでのCaイオン濃度変化を解析することを計画している。幸いなことに、これまで量子ドットを使ったD-グルコサミンの細胞内取り込み実験にて、共焦点レーザー顕微鏡を使った蛍光のイメージング実験を行ってきている。
そこで、細胞内Ca濃度を蛍光色素にてイメージングする実験を計画し、器材の準備を行っている。このことによって、細胞レベルでのBの影響が可視化可能となる期待している。

次年度の研究費の使用計画

今後の研究の推進方策で述べたとおり、平成26年度は細胞レベルでのBの影響を可視化するため細胞内Ca濃度を蛍光色素にてイメージングする実験を計画している。そこで、新たに器材の購入が必要である。
共焦点レーザー顕微鏡用の固定培養ステージと極微量ホウ素の自動注入用インジェクターの購入を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 必須微量元素ホウ素添加によって培養骨芽細胞中で発現が増強する遺伝子2014

    • 著者名/発表者名
      林 善彦、山田志津香、井川一成、山本裕也
    • 学会等名
      第140回日本歯科保存学会
    • 発表場所
      大津市 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
    • 年月日
      20140619-20140620

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公開日: 2015-05-28  

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