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2014 年度 実施状況報告書

石灰化に影響する微量元素ホウ素の骨芽細胞増殖・分化にはCaイオンチャネル系が関与

研究課題

研究課題/領域番号 25670812
研究機関長崎大学

研究代表者

林 善彦  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20150477)

研究分担者 山田 志津香  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00363458)
藤原 守  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (40336178) [辞退]
井川 一成  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80584739)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードホウ素 / Na+/K+-ATPase / Caイオンチャネル / 細胞膜の活性化
研究実績の概要

ホウ素の細胞膜への影響を検討するため、Na+/K+-ATPaseに注目して特異的な阻害剤であるウワバインを緩衝液に加え細胞を顕微鏡ステージ用CO2 (5%) 培養器 内で15分間培養した。その後、細胞内Ca2+を測定した。ウワバインを添加後15分間培養ののち、細胞20個程度の視野を5秒に1回の割合でスキャンを10分間行った。この10分間におけるホウ素添加群、非添加群に生じる相対的蛍光強度の変化を検討した。ウワバインをはじめ強心ステロイド類は、Na+/K+-ATPaseに特異的に結合しその発現や活性を阻害する。Na+/K+-ATPaseが阻害されるとNa+が細胞外に排出されず、細胞内のNa+濃度が上昇する。今回、ホウ素添加群において、相対的な蛍光強度上昇が弱い傾向を認めた。したがって、細胞膜におけるウワバインのNa+/K+-ATPase阻害効果は、ホウ素の存在下で培養することによって抑制されていることが明らかとなった。
次にCaチャネルへの影響を検討するため、ニフェジピンを添加後細胞は30分間培養ののち、Fluo 4-AM染色しレコーデイング用緩衝液で細胞を被覆した。培養皿を顕微鏡ステージ用CO2 (5%) 培養器 内装填後、細胞5~6個程度の視野をスキャンした。スキャン開始2分後に100mMのホウ素を1.0mMとなるよう緩衝液表面に滴下した。そののち3分間におけるにフェジピン添加群、非添加群に生じる相対的蛍光強度を記録し、滴下後1分間の変化を比較した 。ニフェジピンをはじめジヒドロピリジン系薬は、L型CaチャネルのN部位に特異的に結合しその発現や活性を阻害する。Caチャネルが阻害されるとCaイオンの細胞質への流入が抑制される。今回、ニフェジピン添加群では対照群と比べてホウ素滴下後、1分間の蛍光強度上昇が弱かった。したがって、骨芽細胞株NOS-1の細胞膜におけるL型Caチャネルの存在とホウ素の存在下でCaチャネルは活性化されていることを明らかにできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨芽細胞の細胞膜へのホウ素の賦活効果を検討するため、Caの細胞外への移動は、Na+/K+-ATPaseに注目し、細胞内への移動はCaイオンチャネルに注目して、解析を行った。その結果、ほぼ予想通り、ホウ素の細胞膜への賦活効果を確認できた。

今後の研究の推進方策

本年度、Caイオンチャネルの存在は確認できたが、Caイオンチャネルへの影響についてはホウ素濃度を種々変化させて、さらに詳細な解析を行う必要があると考えている。

次年度使用額が生じた理由

Caイオン濃度計測の阻害剤の適正濃度および反応時間の決定ならびにCa蛍光色素測定条件に関して、共焦点レーザー顕微鏡を使った測光に時間を要し、最小限の計測実験となった。次年度は効率のよい測光を可能とするよう検討している。

次年度使用額の使用計画

効率のよい共焦点レーザー顕微鏡を使った測光を行うため、のハード、ソフト面での調整に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 必須微量元素ホウ素の培養骨芽細胞細胞膜への影響2014

    • 著者名/発表者名
      大久保賢亮、井川一成、山本裕也、山田香津香、林 善彦
    • 学会等名
      第141回日本歯科保存学会
    • 発表場所
      山形テレサ(山形市)
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-10-31

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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