• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

石灰化に影響する微量元素ホウ素の骨芽細胞増殖・分化にはCaイオンチャネル系が関与

研究課題

研究課題/領域番号 25670812
研究機関長崎大学

研究代表者

林 善彦  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20150477)

研究分担者 山田 志津香  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00363458)
藤原 守  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (40336178) [辞退]
井川 一成  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80584739)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードCaイオンの移動 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 骨芽細胞
研究実績の概要

歯科材料にも含まれているホウ素の哺乳類細胞への影響を細胞レベルで検討することが目的である。まず、具体的に歯科材料から溶出するホウ素の濃度を実測し、この濃度を基に濃度を変化させて、骨芽細胞の細胞数増加効果を検討した。その結果、低濃度(0.1 mM)にて有意に細胞の増殖効果を確認できた。以後この濃度のホウ素を実験に供した。対照群は溶媒を用いた。低濃度のホウ素が骨芽細胞の増殖と分化を促進することを検討するため、本研究では、これらの機序が細胞膜の安定化によってもたらされることを仮定し培養細胞を使った実験を進めた。まず、細胞の活性に関しては、遺伝子発現マイクロアレイを使って検討した。Caイオンの流入、排出に関しては、初めにCaチャネルの骨芽細胞膜に存在することを確認後、それぞれL型Caチャネル、Na/K-ATPエースの活性化を調べた。細胞へのCaイオンの流入・排出を直接証明するため、本実験ではCa結合蛍光色素を使って、共焦点蛍光顕微鏡下で蛍光色素の強度を相対的に計測し、実測した強度変化を最小二乗法にて傾斜角度として表示し比較し、ホウ素の増強効果を証明できた。RT-PCRの結果からは、5つの石灰化関連遺伝子の発現増強を確認できた。これらの結果から、今回初めて微量のホウ素によって細胞膜におけるCaイオンの流れが促進されることを明らかにすることができた。したがって、細胞膜の安定化に関してホウ素は細胞の増殖と分化を調整する遺伝子群に影響することが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Boron accelerates cultured osteoblastic cell activity through calcium flux2016

    • 著者名/発表者名
      Capati MFL, Namazono A, Igawa K, ookubo K, Yamamoto Y, Yanagiguchi K, Kubo S, Yamada S, Hayashi Y
    • 雑誌名

      Biological Trace Element Research

      巻: 174 ページ: 300-308

    • DOI

      10.1007/s12011-016-0719-y

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi