抜歯、歯周病に起因する歯槽骨吸収を抑制し、失われてしまった歯槽骨を再生することは補綴歯科治療の良好な予後のために非常に重要な課題である。本研究の目的は、ケミカルバイオロジーのアプローチから破骨細胞の分化を制御する小分子化合物を探索し、その分子標的を明らかにすることで、新たな歯槽骨吸収抑制技術の基盤を創成することである。スクリーニングの結果、破骨細胞分化を促進する化合物として、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が検出された。さらにアセチルコリン受容体に対する阻害剤を用いた実験を行なった結果α7-ニコチン性アセチルコリン受容体の阻害剤であるMLAは特異的かつ強力に破骨細胞の形成を抑制した。
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