研究課題/領域番号 |
25670818
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
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研究分担者 |
園山 亘 岡山大学, 大学病院, 講師 (40325121)
大野 充昭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60613156)
秋山 謙太郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70423291)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | microRNA / リプログラミング / side population / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
本研究では,細胞性質決定因子である転写因子およびmicroRNAに注目し,それらを応用した歯原性組織前駆細胞から未分化組織幹細胞を作製する,新しいリプログラミング法の開発と最適化を行なうことを目的に計画された. 平成26年度は,ヒト抜去歯より歯髄細胞および歯根膜細胞を分離した.また,未分化間葉系幹細胞には特異的マーカーは存在しないが,これら未分化間葉系幹細胞はABCG2トランスポーターの機能が高く,Hoechstにて染色し, Hoechst Blueとred にてドットプロットを行うと,Main population (MP) 分画と異なる部位に分布する (side population (SP)分画)ことが知られている.そこで,歯髄および歯根膜より採取した間葉系細胞をHoechstにて染色し,FACS AriaにてSP細胞を分離した.次に,分離したSP細胞およびMP細胞の機能解析を行なった.その結果,SP細胞群はMP細胞群と比べ,ABCG2トランスポーター,幹細胞のマーカーの一つであるOct4, Nanogの発現量が有意に高かった.また,colony forming unit-fibroblast (CFU-F) assayにてコロニー形成能を比較検討した結果,SP細胞群はMP細胞群と比べコロニー形成能が高い事が明らかとなった.つまり,これらの結果から,MP細胞群と比べSP細胞群に未分化間葉系幹細胞が多数含まれる事が明らかとなった.次に,MP細胞群に高発現するmiRNAを網羅的に検索するため,miRNA Arrayを行い,miR720を含むいくつかのmicroRNAが間葉系幹細胞の未分化維持に関わっていることを突き詰めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すでに我々のグループは,未分化維持に関わっているmicroRNAを幾つか発見することに成功しており,当初の計画以上に研究が進行していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,これらのmicroRNAの生理的機能を明らかにするため,in vitroにて実験を実施する予定である.また,一つのmicroRNAが様々な遺伝子をターゲットにすることが知られており,我々はin silico解析の結果,我々が発見したmicroRNAはエピゲノムを制御している因子の発現をコントロールしていることを突き詰めている. 今後は,その因子が間葉系幹細胞の身分化維持に関わっているかを明らかにしていく予定である.
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