研究課題/領域番号 |
25670821
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松香 芳三 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90243477)
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研究分担者 |
梶 龍兒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
重本 修伺 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20294704)
鈴木 善貴 徳島大学, 大学病院, 医員 (40581393)
大倉 一夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70304540)
竹内 久裕 徳島大学, 大学病院, 講師 (10222093)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 咬合異常感覚 / ボツリヌス毒素 / ブラキシズム / 口腔顔面痛 |
研究概要 |
補綴歯科臨床において、咬合位置が不明である、咬合が安定しないなどの咬合異常感覚を訴える患者に遭遇する機会は多いが、それらの患者に対する明確な治療法は存在していない。そのため、日常臨床の現場において多くの歯科医師は困窮しているのが現状である。本研究では咬合感覚異常患者に対して毒素成分のみを精製したA型ボツリヌス毒素(BoNT/A)を投与することにより咬合異常感覚が抑制されるのか、夜間や日中の非機能顎運動が症状変動と関連しているのかを検討し、咬合感覚異常の発症原因を探るとともに、新規治療法を開発することを目的としている。 平成25年度においては徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会での承認を受け、咬合感覚異常患者をClark and Simmons(Alpha Omegan 2003)の定義を参考に抽出した。具体的な包含基準は、1.咬頭嵌合位での咬合接触の異常を6か月以上にわたり訴える、2.患者は問題歯を特定可能である。除外基準は、1.歯髄・歯周病変・歯の位置異常・顎関節症が存在する、2.多数の欠損歯のために、咬頭嵌合位が不安定であるとする。平成25年度は1名の患者がボツリヌス毒素治療に同意をし、日夜の咬筋活動記録後、市販のボツリヌス毒素注射を行った。咬合異常感覚はVisual Analogue Scale(VAS)を用いて評価した。その結果、ボツリヌス毒素注射後、口腔顔面痛は軽減傾向にあったが、異常感覚の顕著な軽減は観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
咬合異常感覚を訴える患者にボツリヌス毒素を紹介したところ、注射を行う希望者はあまり観察されなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.咬合感覚異常に対するBoNT/Aの効果 咬合異常感覚を訴える患者の症状周囲歯肉にBoNT/Aを投与し、症状変化を観察する。この場合、無作為選択した半数の患者には生理食塩水を注射し、クロスオーバーデザインにより、その後BoNT/Aを投与する。 2.咬合感覚異常患者へのBoNT/A投与前後の精神心理状態、触覚閾値、不随意非機能運動観察 BoNT/A投与前後の精神心理学的状態をGeneral Health Questionnaire (GHQ60)とProfile of Mood Statesを用いて評価する。また、当該部位の触覚閾値、夜間・日中の不随意非機能顎運動記録を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
咬合異常感覚を訴える患者にボツリヌス毒素を紹介したところ、注射を行う希望者はあまり観察されなかったため、症例数が計画したものよりも少なかったため。 ボツリヌス毒素注射を行う患者が増加すれば、データ処理用のパーソナルコンピュータとデータ保存用のメモリを購入する計画である。
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