研究課題
SEM像より、フッ酸処理したCe-TZP/Aの表面は、Zr(4%)よりもZr(55%)でナノレベルの球状構造が顕著に認められた。蛍光二重染色では、Zr(4%)、Zr(55%)上で、AETiと比較し細胞骨格、細胞突起の発達が顕著で、細胞が大きく伸展する傾向が認められた。24時間培養後の細胞の接着は、Zr(55%)とAETiがZr(0%)とZr(4%)よりも増加し、5日後では、Zr(55%)はAETiと比較して有意に細胞数が増加していた。 ALP活性試験では、14、21日後のZr(4%)とZr(55%)はAETi、Zr(0%)と比較して、活性が高まる傾向が見られた。また、骨に関する転写因子osterixの発現は、7日後にZr(0%)、Zr(4%)、Zr(55%)で、AEiと比較し有意に上昇していた。さらに、osteocalcinにおいては7,14日後ともに顕著なmRNA発現の上昇が確認された。埋入2週間後のPush-in testによる骨結合能の測定では、Zr(55%)がAETiより有意に高かった。【結論・考察】セリア安定化ジルコニア/アルミナナノ複合体はフッ酸処理によるナノ構造を有する表面形状によって、 骨芽細胞の初期応答と分化、骨との結合力に効果的な影響を与えることが示唆された。以上より、表面形態を変化させることにより、セリア安定化ジルコニア/アルミナナノ複合体は、歯科インプラントフィクスチャーとしての応用が期待できる。
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The Journal Of Biological Chemistry
巻: 289 ページ: 15621-15630