研究課題/領域番号 |
25670829
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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研究分担者 |
上家 潤一 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (10400269)
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30398466)
川井 忠 東北大学, 大学病院, 助教 (50547263)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リン酸カルシウム / 骨伝導 / 水和層 / 表面 / 吸着 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,リン酸カルシウムのHAへの結晶化のプロセスについて表面水和構造の観点で調べた.先の研究でHAへの転換と骨伝導能発現に関連性があることがわかっている.そこでHAの結晶化の過程におけるリン酸カルシウムの分光学的な特徴ついてFTIRカーブフィッティングの方法をより詳細に検討し,分析した.OCPより溶解性の高いリン酸カルシウムである非晶質リン酸カルシウム(ACP)をOCPに共存させ,OCPの転換が促進されるか検討した.転換速度を骨伝導能の指標と仮定し,擬似体液に2週間浸漬することにより検討した.結晶を回収し,XRDにて分析したところACPの転換が最も早く,次にACP/OCP,そしてOCPの順になった. リン酸カルシウム,特にHAは水和構造を有し,HAの成熟(結晶化)において分光学的な変化生じることが知られている.そこで,分析の対象としてリン酸基およびHA水酸基に注目し,結晶の表面水和層構造を解析する方法を検討した.450cm-1から700cm-1の波長範囲をRey C et al. Phosphorus Res Bull (1996)の方法を参考にしてカーブフィッティング行った.浸漬後にACPを回収し,解析したところ,630cm-1と530cm-1の比が増大した.一方,530cm-1と550cm-1の比は変化が小さく,OCPの割り合いが高いと影響を受けた.HAの結晶化はHA様OHの増加と全P中のHPO4の低下により同定される.HAの前駆体のHAへの結晶化に関して分光学的に特徴づけられたことから,表面水和構造が骨伝導能に関連づけられる可能性が示された.
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