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2013 年度 実施状況報告書

インターフェロン分解による腫瘍細胞骨転移促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25670841
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東北大学

研究代表者

菅崎 弘幸  東北大学, 大学病院, 助教 (30333826)

研究分担者 篠原 文明  東北大学, 歯学研究科(研究院), 非常勤講師 (80400258)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードインターフェロンガンマ / 腫瘍細胞 / 腫瘍免疫 / 破骨細胞 / ADAM
研究概要

ガンは先進国における死因の1位となっており、その予防・治療法の確立が望まれているが乳ガンや前立腺ガンなど一部の腫瘍は骨転移を容易に起こし、予後が不良となることが多い。我々は骨吸収抑制性サイトカインとして知られるインターフェロンγ(IFNG)がADAM17によって分解されることを発見した。ADAMファミリーは腫瘍細胞で高発現されていること、発現量と予後不良度が相関していることが報告されている。また、腫瘍細胞は破骨細胞形成を促進し腫瘍細胞周囲での骨吸収を亢進させて骨転移を促す機構が報告されている。
以上のことから本研究では腫瘍細胞による骨吸収抑制性サイトカインであるIFNG分解機構と骨転移能の関連を検索した。
実験動物において易骨転移性乳ガン細胞株として知られているMDA-MB453について、IFNG分解能を確認した。MDA-MB453細胞培養系(20×10^4 cells/well, 24 well plate)へリコンビナントIFNG(10 ng/mL)を添加し、経時的に培養上清を回収し、ELISAにてIFNG濃度変化を観察した。IFNG濃度は約1時間以内でほぼゼロまで減少していた。つぎにMDA-MB453がADAM17を発現していることをリアルタイムPCRでmRNAレベルで、フローサイトメトリー法にてタンパク質レベルで確認した。このIFNG濃度低下がADAM17による酵素的分解によるものかどうかを確認すべく、ADAM17に対する特異的中和抗体を培養系に添加しIFNG濃度を測定したところ有意にIFNG濃度低下が抑制された。
このことは、腫瘍細胞はADAM17を介して破骨細胞形成阻止サイトカインIFNGを分解し、破骨細胞分化が起きやすい環境にしていることが示唆された。
今後、腫瘍細胞のADAM17強制発現細胞株・発現抑制細胞株を構築し、それらのIFNG分解能の差違などを確認する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では平成25年度に下記の事柄を解析することを計画していた。                   1) 乳がん細胞株のインターフェロンガンマ分解能の比較                  2) IFNG分解に関与するADAM酵素の同定              3) 同定したADAM酵素の強制発現細胞株・発現抑制株の樹立           4) 候補ADAM酵素に対するモノクローナル中和抗体を作製
上記1~4のうち、1,2,4はすでに解析を行っており、ほぼ終了している。                 3)については、強制発現細胞株構築に必要な発現ベクター構築は終了している。                                        以上のことから、おおむね順調に進展しているものと自己評価している。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画では平成25年度に同定したADAM酵素の強制発現細胞株・発現抑制株の樹立を計画していたが、現在その途中であるため、可及的速やかに樹立を終了させ、それら細胞株の機能解析を行う。
また、それを用いて動物実験を行い、骨転移能の差違などについて解析を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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