研究課題
ガンは先進国における死因の1位となっており、その予防・治療法の確立が望まれているが乳ガンや前立腺ガンなど一部の腫瘍は骨転移を容易に起こし、予後が不良となることが多い。我々は骨吸収抑制性サイトカインとして知られるインターフェロンγがADAM17によって分解されることを発見した。ADAMファミリーは腫瘍細胞で高発現されていること、発現量と予後不良度が相関していることが報告されている。また、腫瘍細胞は破骨細胞形成を促進し腫瘍細胞周囲での骨吸収を亢進させて骨転移を促す機構が報告されている。本研究では腫瘍細胞による骨吸収抑制性サイトカインであるインターフェロンγ分解機構と骨転移能の関連を検索した。得られた結果は次の通りである。1)リコンビナントタンパク質を用いたアッセイで、ADAM17がインターフェロンγに対してエンドペプチダーゼとして特定配列で切断した。2) 同じADAMファミリー酵素であるADAM10は切断できなかった。3) 口腔癌細胞セルラインHSCsや乳ガン細胞MDAはリコンビナントインターフェロンγを分解した。4) 3)の分解能はセルラインによって異なった。5) 3)の分解能は抗ADAM17中和抗体によって阻害されたことから、各セルラインが発現するADAM17がインターフェロンγを分解することが示唆された。
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Journal of Dental Research.
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Free Radic Biol Med
巻: 77 ページ: 239-248
10.1016/j.freeradbiomed.2014.09.006