シナプス接着因子とは、細胞外ドメインを介した分子間相互作用により、シナプスの形成や機能面での修飾を担う細胞接着因子である。近年の研究より、血管の走行をシナプス接着因子が決定することが報告されたため、口腔癌における血管新生についてシナプス接着因子に着目し、これらを標的とした新規抗血管新生療法が可能かどうか探索するために、臨床的には口腔癌での発現と臨床病態の関連を調べ、基礎的な解析として子宮内エレクトロポレーションによるシナプス接着因子の導入を用いた解析を行い、発生生物学的手法による検討を加えた。その結果、臨床的には予後との関連が見られたが、マウスの実験では血管の変異は明らかでなかった。
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