研究課題/領域番号 |
25670846
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
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研究分担者 |
緒方 直史 帝京大学, 医学部, 教授 (10361495)
阿部 雅修 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10392333)
安部 貴大 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20383250)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30345219)
井口 隆人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80587775)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 細胞周期 / 骨形成 / 骨吸収 / 骨軟骨分化 / 骨再生 |
研究実績の概要 |
本研究は、①細胞周期制御と骨代謝制御という二つの観点に着目して、複数の骨系統細胞の分化と機能を同時に制御する分子を検索・同定し、その機能メカニズムを解明すること、②さらに、その結果を利用した新規骨再生治療法開発に向けた基礎的検討を行うこと、を目的として企画されたものである。今年度は、骨軟骨分化能が促進している細胞株(この細胞株は、間葉系細胞に特定の遺伝子を導入することで、われわれが独自に樹立した細胞株である)と対照細胞を用いて、遺伝子操作によってもたらされた骨軟骨分化能促進に伴い、細胞内の発現が変動する分子を網羅的に探索し、そこで得られたデータをバイオインフォマティクス解析に供して、細胞周期制御と骨代謝制御の両者において重要な機能を果たしていると想定される分子の絞込みを行った。次いで、選択された複数の分子に関しては、それらの分子の過剰発現実験・発現抑制実験を通じた細胞内機能解析を実施した。その結果、ある特定の細胞周期制御因子が間葉系細胞の骨方向への分化と軟骨方向への分化振り分けに関与していること、ならびにその機能の一部はRunx2、Osterix、Sox9等の骨軟骨分化において中心的役割を果たす転写因子群の発現をコントロールすることで発揮されていることを見出した。また、骨形成におけるマスター遺伝子であり、細胞周期制御メカニズムへの関与が指摘されているRunx2と同じruntファミリーに属する転写因子であるRunx1とRunx3が間葉系細胞の骨分化能促進に関係していることを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨系統細胞の分化段階において、複数の細胞の分化を調節している細胞周期制御因子を同定することが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
骨系統細胞の分化段階において、複数の細胞の分化を調節している細胞周期制御因子を同定することが出来たが、その詳細な機能については、より詳細な解析が必要である。そこで、今後は同定された分子の機能解析を進め、研究成果を学会・論文発表につなげる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
最初の目的である候補分子のスクリーニングに当たって、スクリーニングのための実験系の立ち上げに予想以上に時間を要し、それ以降の実験に充当すべき研究費の使用が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
候補分子のスクリーニング系が確立し、解析対象となる分子が複数選択されたため、それらの分子に関して詳細な解析を遂行するための試薬・機器の購入費用に充当する予定である。
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