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2013 年度 実施状況報告書

Id蛋白脱ユビキチン化酵素阻害による口腔癌分化誘導療法

研究課題

研究課題/領域番号 25670860
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関愛媛大学

研究代表者

村瀬 隆一  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (70452696)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / Id-1 / 脱ユビキチン化酵素
研究概要

申請者は過去の研究において、口腔癌の悪性化に関わる転写調節因子Idの発現が、主に脱ユビキチン化によって生じていることを明らかにしてきた。また、すでに12種類の脱ユビキチン化酵素が口腔癌細胞で高発現することを確認している。本研究はまずこれらの脱ユビキチン化酵素を口腔癌細胞に強制発現させて、Id-1の発現変化を観察した。その結果、USP-1とUSP-3においてId-1の著明な発現上昇を認めた。とりわけUSP-1強制発現株はタンパクレベルで2倍以上の発現を認めるとともに、invasion assayにおいて浸潤能が上昇することが確認された。また同様にId-2および3の発現変化を解析した結果、Id-3において有意な発現上昇を認めた。脱ユビキチン化酵素の強制発現については、口腔扁平上皮癌細胞株(SAS、HSC-3)で検証した後、癌患者の組織から直接採取し培養した細胞でも同様の挙動を示すか否か実験を試みたが、導入するベクターの毒性のため安定した結果は得られなかった。USP-1強制発現細胞株におけるId-1の発現上昇が脱ユビキチン化によって起こっていることを検証するため、レポーターアッセイを行ったところmRNAレベルでは発現変化が見られなかった。この結果はUSP-1の強制発現によってId-1のユビキチン化が阻害され、増殖や浸潤等の悪性形質獲得に関与している可能性を示唆している。口腔癌細胞は悪性度が高いほどId-1が高発現する傾向があることからも、USPによId-1脱ユビキチン化が重要であることが推察される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた12種類の脱ユビキチン化酵素の強制発現とそれに伴うId-1の発現変化については検証できた。癌組織から培養した細胞では十分な評価ができなかったが、概ね研究目的は達成されている。

今後の研究の推進方策

今後は口腔癌の悪性形質に関連すると考えられる脱ユビキチン化酵素の阻害を試みる。まずはshRNAによる発現抑制を試み、癌細胞の増殖および浸潤能の変化を観察する。また市販されている脱ユビキチン化酵素阻害剤の効果も検証する。抗腫瘍効果を有すると考えられるコンストラクトや阻害剤を同定できればxenograftモデルを作成し、in vivoで効果を検証する。

次年度の研究費の使用計画

予定購入物品を一部中止したため。
前年度購入予定であった物品を次年度に購入する計画である。

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公開日: 2015-05-28  

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