研究課題/領域番号 |
25670867
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
浦出 雅裕 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (70104883)
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研究分担者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
頭司 雄介 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80581206)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 原発巣 / 転移巣 / 培養癌細胞 / 患者血清 / マイクロRNA / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本研究は、口腔癌組織や血液中に存在し、癌遺伝子や癌抑制遺伝子発現を制御するノンコーデイングRNAであるマイクロRNA (miRNA)の発現を検索するとともに口腔癌バイオマーカーとなりうるか否かを検討することを目的とする。 69歳女性の舌癌から得た原発巣組織、リンパ節転移巣、転移巣に由来する培養癌細胞(OSCC)、初診時血清に対して、マイクロアレイを用いてmiRNA発現を検討した。対照として、口腔ケラチノサイト(HKT) を用いた。 その結果、検索した1,709 miRNAのうち、原発巣、転移巣、OSCC のいずれにおいても3倍以上高発現していたmiRNAは31個、1/3倍以下に低発現していたmiRNAは36個であった。さらにこれらの中で、血清中でも高発現していたmiRNAは6個、低発現していたmiRNAは27個であった(第22回欧州頭蓋顎顔面外科学会で発表済み)。これらの結果は、高発現miRNAが発癌(oncogenic)miRNA、低発現miRNAが腫瘍抑制(tumor suppressive)miRNA、血清においても高発現あるいは低発現しているmiRNAは口腔癌のバイオマーカーとなりうることが示唆される。 平成26年度では、これらの組織・細胞における高発現miRNA、低発現miRNA、血清における高発現miRNA、低発現miRNAの中から、高発現miRNAとしてmiR-4306、低発現miRNAとしてmiR-4756-5pを選択し、miR-4306に対するinhibitorとmiR-4756-5pに対するmimicを作成しOSCCにトランスフェクションすることにより、OSCCの増殖能、浸潤能に対する効果を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
候補miRNAの癌浸潤、増殖における関与と癌患者血清における発現を検索予定であったが、大学の医局再編に伴う研究室関連の工事が5ヵ月に及んだため、計画が大幅に遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
最も高発現あるいは低発現したmiRNAについて、それらのmimicあるいはinhibitory miRNAを用いて、OSCCその他の口腔癌細胞の浸潤、増殖に対する機能解析を行うとともに、癌患者血清中での発現をRT-PCRで検討することを主体とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に医局再編に伴う研究室関連の工事が5ヵ月にも及んだため、補助事業期間延長承認申請書を提出し、未使用額の次年度使用承認を得た。
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次年度使用額の使用計画 |
候補miRNAの機能解析を行うための試薬代に充てる。
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