研究課題/領域番号 |
25670873
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 良太 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90437385)
|
研究分担者 |
仲野 道代(松本道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
浅井 史敏 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00511677)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | Porphyromonas gulae / 犬 / 歯周病原性細菌 / FimA / 線毛型 / PCR 法 / リコンビナントタンパク / カイコモデル |
研究実績の概要 |
Porphyromonas gulae は犬の主要な歯周病原性細菌として知られている。ヒトの主要な歯周病原細菌であるP. gingivalis は菌体表層に約41kDa の線毛タンパク質 (FimA)を発現しており重要な病原因子となっているが、P. gulae にも同様に約41kDa の線毛タンパク質が存在し、大きく3つの型に分類されることが明らかとなっている。これまでに、犬の歯周病の程度や僧帽弁閉鎖不全症の有無により、線毛型の分布が異なることを分子生物学的手法により示した。また、犬と飼い主との接触頻度の高い家庭ほど、P. gulaeは犬と飼い主の両方から有意に高い頻度で検出されることを示した。本年度は、FimA タンパクが病原性を有することを示すために、リコンビナント FimA タンパクの精製を行なった。まず、犬のデンタルプラークから分離した各FimA型を保有するP. gulae菌株からゲノムDNAを抽出し、A~C 型に対応する特異的プライマーを用いた PCR 法によって各fimA遺伝子を増幅し、タンパク発現用プラスミドにライゲーション後、タンパク発現用大腸菌に形質転換させることによりFimAタンパクを産生させた。その後、GSTカラムを用いて各FimAタンパクを精製した。次に、5令のカイコモデルに各FimAタンパクを腹腔内投与し12時間ごとに生存数を記録すると、いずれのFimAタンパクを投与したカイコにおいても、非投与群と比較して生存率の低下が認められた。A~C 型投与群において比較を行うと、A型が比較的病原性が弱く、C型が最も高い病原性を示した。このことから、すべてのFimA タンパクが病原性を保有し、特にC型が最も高い病原性を有している可能性が示唆された。
|