研究課題
マウス下顎頭軟骨形成においてmiR-200aが軟骨分化を制御する可能性が考えられたため、miR-200aの標的遺伝子を軟骨分化制御因子の中から、データベースおよび文献を用いて検索した結果、Dlx5 (distal-less homeobox)に注目することとした。免疫組織下顎染色法およびIn situ hybridization法を用いた検討により、DLX5はE14では下顎頭原基で弱く発現が認められ、E16では下顎頭軟骨の増殖細胞層および前肥大細胞層に強く発現が認められ、miR-200aがE14からE16にかけて発現が減少することとは対照的であった。つぎに、マウス軟骨前駆細胞株ATDC5の単層培養を行い、miR-200aの導入実験を行った。導入翌日にタンパクを回収し、ウエスタンブロッティングによる解析を行った結果、有意にmiR-200a導入群においてDlx5タンパク量の減少が見られた。また、導入翌日に回収したRNAを用いて、逆転写およびRT-PCR解析を行ったところ、Dlx5遺伝子発現に減少傾向が認められたが有意差はなかった。さらに、Dlx5がmiR-200aの直接のターゲットであるかを調べるために、レポーターアッセイを行った。Dlx5遺伝子の3’-UTR配列をホタルルシフェラーゼ遺伝子の下流にクローニングしたベクターをATDC5に導入し、さらにmiR-200aを導入した結果、ルシフェラーゼ発現が有意に減少した。Dlx5遺伝子の3’-UTR配列に一部変異を導入したベクターを用いた際には、ルシフェラーゼ発現の減少は認められなかった。以上のことから、下顎頭軟骨発生期の間葉系細胞において、miR-200aはDlx5を標的遺伝子として軟骨分化の制御を行っていることが示唆された。
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