研究課題
臨床研究に関する被験者として、当初は成長期の患者を予定していたが、被験者の確保が困難であったため、18歳以上の患者を対象として研究を行った。具体的には、鋏状咬合と交叉咬合を呈する患者を対象にして、消化機能に密接に関連する咀嚼機能を明らかにする研究を行った。鋏状咬合を呈する患者において、鋏状咬合側は健常側や正常咬合者と比べて、側方運動の小さい、チョッピングタイプの咀嚼運動パターンを示し、咬筋と側頭筋の筋活動量は小さかった。鋏状咬合による咬合面接触の喪失や上下臼歯の挺出による咬頭干渉は、円滑で効率的なグラインディングタイプの咀嚼運動を障害していると考えられた。また、大臼歯に発現した交叉咬合は、他の部分に発現した交叉咬合および正常咬合と比較して、逆ストロークの発現頻度が高かった。これらの不正咬合は、咀嚼機能ひいては消化機能が低いことが示唆された。基礎研究においては、内臓感覚と顎口腔機能の関連を調べることを目的に、Wistar系雄性ラットを用いて、迷走神経刺激と嚥下運動および唾液分泌量に与える影響を検討した。迷走神経刺激前後における唾液分泌量と顎舌骨筋筋電図を記録した結果、迷走神経の刺激頻度に応じて、唾液分泌量の増加を認め、さらに刺激頻度に応じた顎舌骨筋活動が記録された。これらの結果から、内臓感覚の賦活化が顎口腔機能に影響を与える可能性が示唆された。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
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