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2014 年度 実施状況報告書

複数菌種を用いたオーラルプロバイオティクスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25670886
研究機関徳島大学

研究代表者

藤原 奈津美  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50596913)

研究分担者 村上 圭史  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10335804)
三宅 洋一郎  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
尾崎 和美  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90214121)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードプロバイオティクス / 歯周病 / Lactobacillus reuteri
研究実績の概要

プロバイオティクスは生体に有益に働く生菌製剤で、その作用はプロバイオティクス中の細菌が産生するバクテリオシン、有機酸あるいは過酸化水素代謝産物による強い殺菌活性と、栄養成分を病原細菌と競合的に摂取することでもたらされる病原細菌の増殖抑制である。本研究では、プロバイオティクスが歯周病の改善・予防に有益であるという仮設のもとに、抗菌物質reuterin を産生するLactobacillus reuteri(L. r)を中心に、プロバイオティクス応用時の歯周病原菌の増殖・共凝集・臭気物質産生、バイオフィルム形成に対する効果をin vitroで詳細に検討することを目的としている。
本年度は、オーラルプロバイオティクスになり得る菌を複数入手し、それらのPorphylomonas gingivalis(P. g)に対する増殖抑制効果を検討した。乳酸菌のほとんどは代謝産物として大量の乳酸を産生する。また、P. gは酸に対する影響が大きいことから、酸に影響されないように培養上清を限外濾過する方法を用いて検討した。経時的な測定の結果、菌種・菌株によって増殖抑制効果が異なることが明らかとなった。
また、L. rから産生される抗菌物質 reuterin非産生株を得るために、glycerol dehydratase活性遺伝子を欠失させ、形質転換を試みたが、目的の形質転換株を得ることができなかった。そこで予定していた実験計画を変更し、reuterinそのものを化学合成し、各種歯周病原因菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)を検討していく予定である。さらに、L. rから産生されるreuterinの産生量を定量するために、コントロールとなるアクロレインを用いて比色法での標準曲線を得ることができた。今後は実際のL. r培養液中からreuterinを抽出し定量していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は歯周病原因菌に対するプロバイオティクスの増殖抑制効果を明らかにすることを予定していた。昨年度から、歯周病原因菌に対する増殖抑制効果の検討は進んでおり、P. gに対する増殖抑制効果が有効であることが示唆されている。さらに複数の菌種や菌株においても検討していることから、増殖抑制効果の検討に関してはおおむね順調に進展していると思われる。Reuterinの歯周病原因菌に対する効果をけんとうするためのreuterin非産生株を得ることは困難となったが、それを補う検討方法が予定されているため、次年度に検討する予定である。

今後の研究の推進方策

本年度は、Lactobacillus reuteri以外のオーラルプロバイオティクスの応用につながり得る菌種・菌株の検討ができたので、次年度にはそれらを混合させた時に相乗効果が得られるのかを検討する予定である。また、歯周病原因菌に対してのreuterinの可能性を明らかにするために、reuterinの化学合成物質の作製とそれの最小発育阻止濃度を検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度実施予定であった研究計画進行および実験進行の変更により、次年度使用額が生じたが、平成27年度に使用する予定である。

次年度使用額の使用計画

次年度は試薬類・測定キット・ガラス・プラスチック製品等の購入が必要不可欠であり、消耗品費として計上している。また、本研究において最新の動向を知る必要性及び研究成果の積極的な公表のため学会出張費を国内旅費として計上している。なお、交通費、宿泊費、日当は学内の旅費規程に従って算出している。

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公開日: 2016-05-27  

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