本研究では、硫化水素がヒト歯髄からのβ細胞分化細胞数を増やし、インスリン合成も増加させる。機序はWNTやPI3K/AKTの促進による。ところが、高グルコースでは細胞数・インスリン分泌が激減した。これを当初は、細胞の疲弊と考えた。しかしこれはあまりにも大きいがため、研究方向を変えたところ、糖毒性によるアポトーシスであることが明らかになった。さらにβ細胞分化方法を変え、かつ硫化水素濃度を10倍としたところ、糖毒性は、ほぼ消滅し、インスリンン分泌能の高いβ細胞が得られた。すなわち、硫化水素曝露にて膵臓のリバースエイジングが可能と思われた。
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