研究課題/領域番号 |
25670912
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
折山 早苗 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (20457203)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 12時間夜勤 / 看護師 / 睡眠 / 仮眠 / 疲労 |
研究概要 |
本研究は、看護師の夜勤時間で最も長時間の16時間夜勤から12時間夜勤に移行に伴う影響を検討し、スムーズな移行を可能とする方策を明らかにすることを目指すものである。 平成25年度は、16時間夜勤に従事する看護師681人と12時間夜勤に従事する看護師140人の睡眠状態や負担感について調査した結果を解析し、12時間夜勤導入に際して、課題を明らかにした。 ①12時間夜勤者と16時間夜勤者の睡眠状況は異なり、16時間夜勤者は、前日の睡眠時間や勤務中の仮眠の取得率ならびに仮眠時間も長かった。また、勤務後の昼間睡眠についても、取得率、取得時間とも12時間夜勤者より16時間勤務者が多く、長くとっていた。つまり、夜勤時は、16時間夜勤が12時間夜勤より疲労が強く、睡眠を必要としていることが明らかとなった。 ②二交代制勤務のデメリットとしては、16時間夜勤の場合は朝方に集中力が続かない、体力が続かないとの意見も多かったが、12時間夜勤は、夜勤より長日勤に疲労が増加するという意見もあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H25年度は、予定通り12時間夜勤に伴う課題を明らかにすることができたものの、当初、研究予定としていた病院が、12時間夜勤への導入が延期となり、再度、12時間夜勤を導入予定の病院の選定に時間がかかり、実際に看護師の疲労度の測定には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
既に12時間夜勤を導入しつつある病院の選定を終えたので、H26年6月に研究者の所属する大学の倫理委員会に研究計画を提出し、倫理委員会の承認を得る。そして、7~8月頃には12時間夜勤を行っている病院の看護部長を通して、研究協力者として10名を募集する。 H26年9月~10月にかけて夜勤と日勤のそれぞれ勤務中に心電図、アクティグラフを装着し、質問紙調査を夜勤では、勤務開始時、21:00、仮眠前、仮眠後、6:00、勤務終了時の6時点と、日勤では勤務前、昼休憩前、昼休憩後、夕食前、夕食後、勤務終了時点の6時点を測定する。自覚的、生理学的に看護師の疲労度を測定し、解析を行う。睡眠状況を把握するために、夜勤の前後10日間はアクティグラフの装着を依頼する。 結果が出た時点で分析をすすめ、移行に伴う影響を明らかにし、16時間夜勤から12時間夜勤へのスムーズな移行の為の方策を構築する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
16時間夜勤の看護師の疲労度を測定するために、疲労測定器具を購入する予定であったが、研究を予定していた病院が、12時間夜勤の導入時期が延期となったため、改めて12時間夜勤を導入する病院の選定に時間を要した。そのため、平成25年度は、看護師の疲労度測定には至らなかった。 今年度は、既に16時間夜勤から12時間夜勤を導入している病院を選定したので、疲労度を測定するためのアクティグラフを3台購入予定である。また、研究協力者への謝金ならびに協力病院への交通費も予算に計上している。
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