研究課題/領域番号 |
25670914
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮腰 由紀子 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (10157620)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射線看護 / 学部教育 / 授業案 / 放射線防御 / 放射線管理 |
研究概要 |
1.事前現況調査:①国内看護系大学教員及び看護管理者達へ、eメイル・電話・直接面談による聞き取りを行った。その結果、明確な放射線看護学名を呈し学部教育に開設している大学は少なく、多くは選択科目扱いであった。また、教員自身も学部教育での学習記憶がない旨の発言がみられ、今後の課題と考えられた。調査予定の国外大学及びその他の海外大学の教員及び看護管理者数名からも、同様の回答であった。②これらを踏まえた学習評価調査票を作成し、放射線看護学内容が各科目に分散展開されている2大学2年次生に無記名調査を行った結果、学習して2~4週間後にも関わらず、放射線看護を学習していないとの回答が半数を占めた。このことから、科目設定を行わない限り、学生の記憶にとどまりにくいことが考えられた。2.書籍文献調査:学部教育に言及した報告は国内外ともに少なく、大学院レベルまたは臨床レベルの報告がほとんどであった。なお、2013年の欧州の学部教育ガイドラインに詳細な学習項目が加筆されたことを確認できた。3.専門家検討会:日本放射線看護学会理事・評議員達と打合せ、今後の活動への検討と協力体制を構築した。また、調査項目および方法に関して検討を行った。4.今後は改変した調査票を用いた当初の予定に沿って教育調査・先進的取組みの海外現地調査・改変内容の講義評価を行う。また、成果について日本放射線看護学会・日本看護教育学会における交流集会で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護基礎教育レベルで必要な放射線看護に関わる知識・技術を再確認した。限度ある教育時間において今後の看護活動に貢献できる看護基礎教育レベルの放射線看護教育方法案の検討資料を得た。 なお、国内の放射線看護に関係する大学ならびに国外の本学提携大学の協力を得て、放射線看護の教育に関する現況を把握できたが、予想に反した結果であったことから、調査票項目の変更を行う必要が生じたことによる。また、同様に本学の看護学専攻生・病院看護管理者を対象に、学習内容の定着度と臨床における活用度・看護管理面からの必要期待度を把握できたが、その結果が予想に反して芳しくなく、教育内容の再検討が必要となり、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
1.教育方法暫定案の作成:詳細な基準を示す欧州のガイドラインを参考とした卒業時修得基準暫定案をもとに、教育方法暫定案を授業及び臨地実習方法で作成する。2.教育方法暫定案に展開と評価:暫定案に基づく授業・臨地実習を展開し、新2~4 年生合計180 人に前年同様の方法で調査し、暫定案による授業及び臨地実習展開成果を評価する。3.専門家検討会(第2年度):① 2の展開成果を、本学及び国内研究協力大学の研究協力教員と、本学の研究協力臨床看護師に通知し、国内外の専門家がメールにより検討会を重ね、看護基礎教育卒業時点において一般看護職者が有する放射線看護の知識と技術を一定に保証できる看護基礎教育卒業時放射線看護関連修得基準と教育内容基準の最終案を作成する。4.成果を、日本放射線看護学会をはじめとした国内外の学会等で発表し、作成した報告書を各大学へ配付して、広く公表し活用を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外訪問調査方法を、事前聞き取り段階で訪問先の再検討の必要が生じたことによる。また同様に、調査票の項目内容の再検討を行ったことにより、調査票の発送が遅れたことによる。 変更した計画にのっとり、海外訪問調査を行う。また、郵送調査を行う。
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