研究課題/領域番号 |
25670917
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
木森 佳子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (30571476)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
中山 和也 金沢大学, 保健学系, 准教授 (80242543)
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 静脈注射 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、危険性の高い目視困難な末梢静脈を穿刺する技術向上のために、目視困難な静脈を可視化する基礎技術を開発することである。本研究計画では、これまで目視困難静脈の70%を可視化した試作機器を基に、90%を可視化する静脈透視技術方法を確立するハードウェアシステム、画像処理プログラムを開発することとした。また、獲得した画像から深さ静脈を可視化する画像処理プログラムを開発し、臨床適合性を評価することとした。 当該年度は主に画像処理プログラムの開発により健常者でのプレテストから(Kimori, et al. 2014)、臨床での高齢者の目視困難な静脈を約85-90%可視化することを検証している。これは既存機器の可視化率、約50-60%より有意に高く、可視化性能は優れているといえる。しかし、未だ可視化が十分とはいえない深層静脈について基本システムの見直し、画像処理プログラムの再検討を継続している。 この調査から得られた画像から深さ情報を得る画像処理プログラムは成功にいたっていない。これは臨床の目視困難静脈の深さ範囲が非常に限られていたこと、深層静脈の可視化性能が不十分だったことが影響する。先ずは、確実に深層静脈を可視化する技術を優先する必要があると考え、技術改善を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画の目標は、目視困難静脈の90%以上を可視化する静脈透視技術方法を確立するハードウェアシステム、画像処理プログラムを開発することとしている。約85%の可視化率を持つ試作機器の開発には至ったものの、未だ深層静脈の可視化が十分とはいえない。5%不足する可視化性能に臨床ニーズが高いと考えられる。この対策としてハードウェアシステムを再度見直すこととした。具体的には、効果が期待できる材料、および使用における最適値を決定するため、あらたに材料を購入することとした。しかし、在庫不足や性能不足のため材料の入手が遅れた。これにより基礎実験も遅れることになった。従って補助期間延長を申請し研究期間延長を得て目標達成を目指すこととした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究が目指す静脈可視化性能の向上に注意しなければならないことがある。それは機器の操作性である。臨床に普及する機器にするためには静脈可視化性能以外に、病室で簡便に使用できる機器が必要となる。そのため静脈を透視する基本システムの材料の配置については特に臨床使用を意識しなければならない。この点を踏まえて、残存している基礎実験としてハードウェアシステムを構築する。 深層静脈を可視化することは容易ではなく、研究者ら以外からも知見を得て、機器を改良していく必要がある。このため、実験結果を学会に発表する。得られた知見は追加実験として実施していく。そして、機器の改良後は臨床評価していくこととする。その際、機器を安定させ安全に使用するために企業に試作機器の作成を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の目標である目視困難静脈可視化率90%以上を達成するため、未だ検証されていない透視基本システムに搭載する材料とその使用最適値を次年度検出する。 本来、追加実験も踏まえて本年度中の実験、予算執行が望ましいが、使用を要望する材料の在庫不足や性能不足によって入手が遅れている。この実験を実施せず目標の達成は難しいと考える。そのため次年度、確実に入手、実験を遂行するため延長を申請した。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年4月~6月に要望する材料を購入、入手する。8月中に実験をする。10月までに再実験を終了する。試作機の完成度にもよるが臨床使用上、安全で簡便に使用できる試作機を企業と共に作成する。
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