研究課題
目的:高齢者に足浴を実施し、以下の仮説を検証した。1)夕方の足浴により、午後から夕方にかけて貯留した浮腫傾向の水分が足浴の排尿促進効果により、入眠前に排尿され、夜間排尿量と夜間排尿回数を減少させる。2)足浴により睡眠効率が良好化するとともに、1)の成果も加わり夜間の中途覚醒が減少する。対象および方法:湯温40℃に踝骨の上10cmの湯量で10分間の足浴を17時に実施群と非実施群にランダムに割り付けcrossover designで実施した。結果および考察:夕方の足浴の実施により、眠前の排尿促進はしなかったが、夜間排尿量は有意に減少し、夜間排尿回数は0.5回減少した。また、足浴実施群の夜間睡眠効率は上昇傾向がみられ、中途覚醒回数は有意に減少したことから、睡眠が良好化したといえる。以上のことから、本研究の仮説はほぼ検証できた。そこで、足浴と同じ作用のある日常的な入浴の場合はどうか、夕方の入浴の効果を追究した。就寝直前の入浴より、夕方の入浴の方が夜間尿量に減少傾向が見られた。今後更なる追究が必要である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
山梨県立大学看護学部紀要
巻: 16 ページ: 1-9