研究課題/領域番号 |
25670922
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
加藤 法子 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20330699)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 吸引 / 看護技術 |
研究実績の概要 |
本研究は、気管内吸引の吸引圧・吸引時間調整の指標を作成し、看護技術における吸引方法の新たな提言を行うことを目的としている。吸引圧・吸引時間調整の指標の作成にあたっては、Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連、Ⅱ.吸引調整技術の動作分析の2側面を検証し、その結果をもとに作成することとしている。 平成25年度はⅠ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連を検証するたの準備(疑似痰作成のマニュアル及び実験プロトコールの作成)とプレテストを行った。プレテストの段階でプロトコールの見直しの必要性が生じたため、プロトコールの修正を行った。 平成26年度は以下の2つについて取り組んだ。 Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連については、平成25年度に見直した研究プロトコールを用いてプレテストを実施。プレテストの結果、データのばらつきがみられたため、実験プロトコールの見直しと条件設定の変更などを行い、本実験に取り組んだ。実験では、痰の粘度や吸引カテーテルの太さなどを変えて実施し、吸引圧と吸引時間、吸引量に関するデータを得た。本実験の結果は現在分析中である。 Ⅱ.吸引調整技術の動作分析については、実験プロトコール及び動作分析時に使用するチェックリストを作成した。チェックリストは、客観性を高めるために、吸引技術の方法が記されている看護系の教科書と既存のビデオ等を検証し、作成した。また、実験で使用する物品の検討及び倫理審査に向けた申請準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究当初は研究期間を2年としており、平成26年度中に気管内吸引圧・吸引時間調整の指標の作成と検証、看護技術における吸引方法の提言を行う予定であった。しかし、平成26年度は指標の作成のために行う2つの実験(Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連の検証及びⅡ.吸引調整技術の動作分析)のうち、Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連の検証のための実験とⅡ.吸引調整技術の動作分析の実験準備までしか実施できておらず、研究期間も1年間延長したことから遅れていると判断した。 研究遅延の理由としては、Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連の検証の実験において実験条件の設定に時間を要したことと、実験回数を増やしたため遅れが生じたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、気管内吸引圧・吸引時間調整の指標の作成と検証を行い、看護技術における吸引方法の新たな提言を目指して取り組む。 具体的には、Ⅱ.吸引技術の動作分析の検証を研究倫理委員会の申請と承諾を得て実施する。この結果と、Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連の分析結果をもとに指標の作成を行う。作成した指標の検証を行い看護技術の吸引方法の提言を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度にⅠ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連を検証する実験とⅡ.吸引調整技術の動作分析の2つの検証をを行う予定であった。しかし、Ⅰ.吸引圧と吸引時間、吸引量の関連の実験において、条件設定の見直しや実験回数を増やしたこと等により多くの期間を費やしたためⅡ.吸引調整技術の動作分析の検証を実施できなかった。よって、Ⅱ.吸引調整技術の動作分析の検証の際に使用する物品の購入、人件費などの支出がなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は主にⅡ.吸引調整技術の動作分析に助成金を使用する予定である。具体的には、動作分析の際に使用する物品の購入と実験補助のための人件費等に充てることとしたい。
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