研究課題
【目的】本研究の目的は、タクティールケアの介入による睡眠効果を検証することである。【方法】参加者:研究趣旨に同意が得られた青年期女性7名。調査期間:平成25~26年の11~12月の2週間。方法:準実験研究デザイン。介入として一定の環境下でタクティールケアを背部10分、足部20分の計30分を5日間、実施した。介入日(実験群:介入日5日間を含む6日間)と非介入日(対照群:平常通り過ごす6日間)を含む2週間にわたり、睡眠・覚醒の評価として参加者に非拘束性睡眠評価スケール(腕時計型センサネット端末、軽量)を非利き腕の手首に装着した。心理的指標として、Pittsburg Sleep Quality Index(PSQI)、日本語版POMS短縮版。生理的指標として、体温、脈拍、血圧、体表温度、睡眠・覚醒評価の定量分析を用いた。分析:統計ソフトJMP Ver.11を使用し、介入日と非介入日、または介入前後で分析した。倫理的配慮:研究者の大学倫理審査委員会の承認を得た。参加者には文書で説明し同意書を得た。【結果】平均年齢22歳。温度20.5~23℃、湿度23~60%。PSQIは、7項目のうち「睡眠の質」「覚醒困難」の2項目が、介入前より後に有意に減少した。PSQI得点は、介入前6.7±2.36点から、後3.0±1.41点と減少した。POMSは、6項目中4項目において、介入前より後に有意に減少した。体表温度は前胸部、手関節部、足踝部いずれも介入前より直後、30分後に有意に上昇した。睡眠・覚醒評価は、睡眠効率、睡眠時間に有意差はないものの、睡眠潜時と中途覚醒の減少、居眠り回数の増加に有意差がみられた。総睡眠時間は、非介入日433.9±104.73分、介入日464.1±101.45分と増加した。タクティールケア介入によって、中途覚醒が減少し、睡眠の質の向上につながることが示唆された。
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