研究課題/領域番号 |
25670938
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小柳 康子 福岡大学, 医学部, 准教授 (70353175)
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研究分担者 |
原田 広枝 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (60380383)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 保健室経営計画 / 協働 / リーダーシップ / マネジメント |
研究実績の概要 |
本研究は、2つの目的があった。第一は保健室経営計画作成の実態を明らかにし、その成果と課題を考察することである。第二は、マネジメントとリーダーシップの観点から、保健室経営計画作成のためのガイドラインを作成することである。 第一の目的については、すでに養護教諭を対象とした保健室経営計画作成に関するアンケート調査を実施した。しかし課題として、養護教諭のリーダーシップの実態を明らかにするためには、その他の学校組織のメンバーの認識を調査する必要が生じた。 この点について特に力を入れたのが平成27年度であった。これまでの研究課題を踏まえて、第二の研究目的を達成するために、先駆的に保健室経営計画作成と実践を行っている養護教諭と学校長に対するインタビュー調査を行った。この質的研究については、成果を日本学校保健会第62回学術集会にて発表した。量的研究としては、調査対象を養護教諭のみから、学校長、担任に広げて、保健室経営計画と協働組織及びリーダーシップに関するアンケート調査を実施した。しかし、この量的研究についてはデータ分析途上にあり、量的研究の成果を公表していない。 そこで、今後は、これまでの総合的な研究成果の公表を行うことが残された課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた2回の調査のうち、第1回目の調査で予測した調査結果が得られなかったことや保健室経営計画の概念の変更(日本学校保健会による平成27年2月の「保健室経営計画作成の手引き」の改訂)があったために、予算を無駄にしないよう、課題を踏まえつつ、最新情報のもとで第2回目の調査を実施することになった。これらの調査自体は、平成27年度に順調に実施することができた。しかし、全体としてみるとそれまでの調査時期のずれが影響して、全体的な研究成果の分析や成果発表ができなかったことから、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の大きな課題は、第1回及び第2回の調査成果を公表して、還元することである。第1回の「保健室経営計画の実態と課題」に関するアンケート調査結果については、すでに成果をまとめており平成28年7月末までに研究紀要に投稿する予定である。 第2回目の学校長、担任、養護教諭を対象とした平成27年度の調査については、まだデータ分析の途上にある。そこで、平成28年10月迄には、各対象毎に調査結果の分析を終え、11月に日本学校保健学会で発表することを計画している。さらに、質的研究についても、調査分析方法に齟齬がないよう、スーパーバイズを受けながら今年度12月を目途に看護学学会への投稿を計画している。 また、総合的な研究成果を現場で役立ててもらうために、成果を印刷物としてまとめ、研究協力者等への送付を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算を無駄にしないよう、第1回目の課題を踏まえる必要と、保健室経営計画の概念定義の変更(日本学校保健会により保健室経営計画の改訂)に合わせて調査時期を後ろにずらした。調査時期がずれ込んだために、第2回調査のデータ分析と総合的な研究成果の公表が課題として残されたため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
第1回目の調査についてはデータ分析を終えているが、第2回目の調査については、データ分析の途中であり、質的研究にはスーパーバイズに謝金が発生する。また、量的データ分析には新たな共分散構造分析ソフトが必要であり、その費用が発生する。 最終的に、研究成果報告書を作成するための印刷費用及び、これらの成果物を全国の現場協力者へ送付するための費用が発生する。以上に使用する予定である。
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