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2013 年度 実施状況報告書

家族と「折り合いをつける」退院調整看護師の実践知の記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25670939
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関静岡県立大学短期大学部

研究代表者

影山 葉子  静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 助教 (50566065)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード退院支援 / 家族 / 意思決定 / 実践知 / 退院調整看護師
研究概要

在院日数の短縮化が勧められる中、2012年度の診療報酬改定により、退院調整加算が適用される施設基準として、退院調整に関する部門を設置し、退院調整に係る業務に関する十分な経験を有する専従または専任の看護師を配置することが義務付けられた。本研究の目的は、退院をめぐり自己決定をすることが困難な患者の代わりに意思決定を行う家族に寄り添う退院調整看護師の看護実践の中で、家族と「折り合いをつける」という経験に注目し、退院調整看護師の実践知として言語化することである。
初年度である本年度は、先行研究に関する文献レビューを行った。まずは国内文献を中心に、関連する研究の動向についてまとめ、本研究の必要性の裏付けを行った。文献レビューは論文にまとめ、学会誌に投稿し、査読意見に基づいて修正をし、改稿原稿を提出したところである。
文献レビューを進めながら、同時に研究計画書の作成をし、倫理審査を受けた。倫理審査によって承認を得られた後、研究対象者のリクルートを開始した。本研究は、一般病床に区分される急性期病院に勤務する退院調整看護師を研究対象とした質的研究であり、インタビューガイドを用いた半構成的対話式インタビューにて、退院調整看護師が担当した事例を想起しながら、「折り合いをつける」という経験を語ってもらい、詳細に聞き取っていく。退院調整看護師ならではの知識や技術が実践の中でいかに用いられ、経験にいかに埋め込まれているのかを開示するために、10名程度の対象者に複数回のインタビューを行い、実践を丁寧に記述していく。
本年度末からインタビューを開始しており、次年度はインタビューを継続して行い、データ収集が中心となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

退院調整看護師に関する実態調査の報告書から、各病院の退院調整看護師の配置人数は決して多くないことが予測された。そのため、研究対象者のリクルートについて、在院日数の短縮化が進み、多忙な業務の中、所属施設の協力が得られるか、対象となる退院調整看護師の協力が得られるかということが懸念されたが、今のところ順調に協力が得られている。ただ、インタビューの日程について、研究対象者と研究者の相互の調整がやや難しいことがあるため、毎回のインタビューの内容はその都度早急に逐語録を作成し、データの読み込みも並行して行いながら、効果的なインタビューができるように進めていきたい。

今後の研究の推進方策

次年度はインタビュー調査が中心となるが、並行して連携研究者の協力やピアレビューによってデータの検討を進め、実践知の記述にも取りかかっていく。退院調整や意思決定に関しては、欧米の研究文献も多いため、海外の文献も検討しながら、我が国の文化的な特徴等も踏まえて研究を進め、国際学会や海外のジャーナルへの投稿も目指したい。また、看護や医療系の文献だけでなく、哲学や倫理学領域の研究、家族に関する社会学やジェンダー研究、ケアに関するフェミニズムからのアプローチ等、他の学術領域の文献も参考にしながら、研究を進めていきたい。

次年度の研究費の使用計画

本年度はインタビュー調査を始めたばかりであり、まだデータが少なかったこともあって、インタビューデータの逐語録の作成は委託をせずに、研究者が自ら行った。そのため、計上していたこの委託費が主に次年度の使用額として生じた。
インタビュー調査のための旅費、連携研究者やピアレビューによるインタビューデータの検討のための旅費、インタビューデータの逐語録作成のための委託費、他の学術領域の書籍等の購入費が主な使用用途となる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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