研究課題/領域番号 |
25670940
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
溝部 佳代 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (70322857)
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研究分担者 |
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
芳賀 早苗 北海道大学, 保健科学研究院, 博士研究員 (60706505)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護 / ストレス / 絶食 / 情動刺激 / 脳磁計 |
研究実績の概要 |
26年度は、ストレスが生体に与える影響を評価することを目的として、絶食ストレス下で情動的-快(P)/中性(N)/不快(U)-な画像刺激を与えられた時の脳磁図等の生体計測を行い、平常時と比較した(以下、実験1)。脳磁計の結果から、絶食時には快刺激に対する応答の低下がみられ、快の程度により特異な脳活動応答が生じると推察された。27年度は対象者を増やしてデータ収集を追加し、また、当初予定の研究計画をさらに発展させ、絶食時における快刺激への応答を正常化させる介入の試み(以下、実験2)を行ったため、最終年度ではこれらについて分析・考察した。 実験1は、26年度の結果・考察をもとに、画像水準を刺激の強度-快(P)および不快(U) /中性(N)-からみた、新たな切り口により分析・解析を行った。これにより、情動的な3水準による特徴のみならず、刺激強度による傾向が見出され、絶食時における脳活動変化の特徴を2次元的に表すことができた。以上の成果は国内学会で発表し、また、英語論文としてAdvanced Biomedical Engineeringに投稿した(accepted on 2016-04-14 21:39:11)。 実験2は、解析の結果、情動刺激による脳ストレス応答の差異および正常化は検証できなかったが、だ液アミラーゼによって介入前後のストレス逓減効果を証明することができた。簡便な看護介入の評価ツールとして、客観的指標となりうることが示唆された。 以上より本研究は当初目的の通り、(1)健常者の多重ストレス時の脳活動を脳磁計により解析し、絶食状況下で情動刺激を受ける多重ストレス状態における精神活動の特徴を明らかにし、(2)ストレスや精神活動を客観的に評価できるツールとして脳磁計が有する可能性、さらに他のストレス評価ツールも含めた看護への応用可能性を提言することができた。
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