研究課題
本研究はH25年7月に英国のIndependent Reviewにより看取りのクリニカルパスであるLCPが段階的廃止勧告を受けたため、英国の動向についてまとめると供に研究の方針を変更した。英国における問題は看取りケアの教育の不十分さに起因するものと考え、わが国では看取り期におけるチェックリスト(クリニカルパスをこう改めた)と看護師に対する看取りケア教育を充実させるためのプログラムを開発し、家族向けパンフレットも積極的に活用するという方向で検討することとした。これらは病院、在宅、高齢者施設、小児のそれぞれの領域に分けて検討した。在宅領域では20名の看護師に対するパイロット的なアンケート調査をもとに在宅の看取りのケアのチェックリストと教育プログラムを作成した。高齢者ケア領域は文献レビューにより高齢者施設における看取りについて再検討したのちに、在宅版をもとにして高齢者施設版を作成した。小児版は家族用パンフレットがなかったため、それを開発するとともに医療者24人へのアンケートで評価し、高い割合で肯定的な評価を得た。病院領域ではH23-24年度研究の成果をもとにチェックリストを完成させ、看護教育プログラムのスライド等も作成した。プログラムの客観的な評価を行うために、インタビュー調査の野地に遺族345人、看護師497人に対するアンケート調査を実施し「遺族による看取りケアのプロセス評価尺度」「遺族による看取りケアのアウトカム評価尺度」「看護師による看取りケアのプロセス評価尺度」「看護師による看取りケアの困難感尺度」の信頼性・妥当性を検証した。本研究ではチェックリスト(クリニカルパス)の開発だけでなく看護師教育プログラムの開発などを行うといった大きな方針の変更を余儀なくされたため、プログラムの評価には到らなかったが、上記のとおり今後、客観的な評価を可能とするツールの開発まで実施できた。
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Palliat Care Res
巻: 10(1) ページ: 318-323
http://dx.doi.org/10.2512/jspm.10.318
巻: 9(4) ページ: 112-20
http://dx.doi.org/10.2512/jspm.9.112