研究課題/領域番号 |
25670942
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 史子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30292353)
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研究分担者 |
齋藤 秀光 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40215554)
中保 利通 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40323000)
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60362472)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リハビリテーション看護 / 緩和ケア / 終末期リハビリテーション / 患者・家族心理変化 / 職種間連携 / 介入職種者の意識 |
研究実績の概要 |
本研究は、緩和ケア病棟における「終末期リハビリテーション」(以下、終末期リハ)導入体制を確立するため、東北大学病院緩和ケア病棟において、終末期リハのあり方について検討し、終末期リハプログラムを作成する。さらに、作成したプログラムを試験的かつ計画的に導入し、患者とその家族の心理的変化とその導入効果を明らかにすることを目的としている。 そのため、平成25年度Phase1は患者・家族支援としてアンケート用紙作成・インタビューガイド作成とインタビューの実施。および内容分析を行った。 平成26年度はPhase2;1.リハスタッフとの連携体制の確立として、インタビュー内容分析継続を行い、1.終末期リハ実施の評価を中心にその妥当性を検証した。 2、次にリハスタッフと看護師の連携体制継続と強化を目的に、1回/週リハ部副技師長を含めた定期カンファレンスを実施。患者・家族の状況把握を行い、認識の相違点を明らかにし、情報を整理した。これに基づき、看護師からリハスタッフへ中間報告としての患者・家族インタビュー結果について説明を行った。説明前にリハスタッフの終末期リハに対する基本となる意識:患者・家族との関わりからリハスタッフが感じることに関するアンケートを実施。さらに説明後に患者・家族の思いを聞いた後のリハスタッフの気持ちの変化についてもアンケートを実施した。リハスタッフには1回目参加できなかったスタッフを対象に計2回(述べ32名対象)の説明・アンケートを実施した。 3.リハスタッフへの説明およびアンケート結果を整理し、平成26年度まとめとしてリハ部へ伝えるとともに、意見交換後、「連携体制確立」の視点から学会発表を行った。 平成26年度の活動経過は、医師・看護師・リハスタッフの「終末期リハ」に対する「実践共同体」としての意識を高めることができ、患者や家族を支援するという価値を共有していくための基礎が確立できたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、リハ実施患者数は約60名を対象とする予定であった。しかし、平成25年度は入院患者数が減少し、さらに26年度もやや増加傾向にはあるものの、20床を満たす期間は少なく、開設以来の入院患者数減少が続いている。その理由として1.入院患者数は2名/週に限定する体制の継続。2.緩和ケア実施施設の増加に伴い、入院待機患者の他施設への異動も多い。さらに入院後、病状急変により短期間で死亡退院する患者も比較的多く、リハ実施対象患者が得られにくい状況だった。 また、26年度開始直後に研究計画時においてアドバイザー予定だった緩和ケア専任担当医師3名が他院へ異動し不在になったこと。さらにインタビューの中核をなす認定看護師も部署異動になるなど、スタッフ等に変化が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
H25年後半から緩やかではあるが患者数が増加傾向にあるため、リハ導入時期を逸しないよう、リハ導入可能な患者への協力を依頼していく。そのうえで対象患者数をできる限り増やし詳細に分析を行っていく。インタビュー期間は平成27年6月末までを最終限度として延長する。 また、分析を行いながら、随時分担研究者の意見に基づき必要に応じてプログラムの改変を実施していく。。 さらに、リハスタッフに対しては、12月までに本研究結果を報告し、今後の連携体制について継続的に検討していくための具体的なスケジュールと役割等を明らかにしてく。 緩和ケアリハビリテーションチーム体制を病院側に申請する準備を整えていく。 最終的には本研究を基に、今後はリハスタッフとの共同研究と緩和ケアリハビリテーションチーム研究の実践にむけて、具体的な計画を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
1、研究参加可能な対象患者数が下回ったため、研究分担者3名について、H25・26 年度の2年間において各年度1名あたり\50000の経費を使用する機会がなかった。さらに分担者が自身も科学研究費を獲得していることもあり、経費を使用する機会が得られなかった。 分担者1名のみが本研究関連書籍購入したにとどまった。 2、研究が予定通りに進まず、通信費・会議費印刷費等が未使用となった。以上より、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
1.研究分担者と検討し、本研究に関する追加資料確保やデータ分析に必要な書籍等の必要物品の購入を行い、H27年度分と合わせて計画的に使用していく。 2.研究最終年度であり、その総括にむけて、各関連専門者との通信および会議を行う予定であり、次年度分と合わせて使用していく。 3.学会発表旅費、成果発表の費用として使用していく。
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