研究課題/領域番号 |
25670945
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
瀬戸 奈津子 関西医科大学, 医学部, 教授 (60512069)
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研究分担者 |
岡田 彩子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10425449)
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
大原 千園 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (90376202)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 療養支援ツール / 訪問看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は、複雑で難しい心不全管理の中で、患者の症状や徴候のパターンに焦点を当て、心不全増悪を早期発見・対処するための療養支援ツールを開発することを目的とした。 インタビューデータの分析結果より、訪問看護師が慢性心不全患者の病状悪化の兆候をとらえる上で【複数の疾患や不安定な病状の中から心不全悪化の症状を判断することが難しい】という困難な状況が存在していた。その中で、訪問看護師は【一般的にはとらえきれない初期の症状悪化の徴候を見逃さないようにし、すぐに対処すべき症状を見極める】よう努めていた。 また、判断の難しい心不全悪化の兆候をとらえるために【数値に現れない、何かいつもと違う様子から病状悪化をとらえる】ことや【患者や家族の些細な気がかりや質問から体調の不安定さを察知する】ことでバイタルサインや一般的な症状から判断できないような些細な異変から病状をとらえていることが明らかになった。それらは【その人に合わせた退院後の体調管理が継続できるよう調整する】【元の生活に戻らないよう歯止めをかける】という日頃から行っている病状悪化予防のための2つの看護支援が基盤になり、成り立っていた。生活状況の変化など、一見心不全の症状とは直接関係のない兆候をとらえることが、とらえにくい心不全悪化の兆候を早期にとらえる手がかりになることが明らかになった。 支援指針の作成について、インタビューデータをもとに専門家会議を開催し、スーパーバイズを受け、より実践的な指針の検討を行った。今後の課題として、①新人看護師や看護師以外の職種にとっては疾患理解ができるようなツールにする方が活用しやすい。②患者の重症度によって段階別に支援内容を検討する必要がある。③患者の個別性を引き出すための支援方法についてさらに検討が必要である。④生活状況の変化について、さらにどのようなパターンがあるのか情報収集を加える必要がある。
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