研究課題/領域番号 |
25670948
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
横田 素美 文京学院大学, 保健医療学部, 教授 (10188815)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腹膜透析 / 血液透析 / 移行プログラム / 看護ガイドライン |
研究実績の概要 |
腹膜透析から血液透析に移行した患者を受け持った経験のある看護師へのインタビューを進めており、同時に分析を行っている。インタビューができた人数が3名であるため未だ抽出された移行に伴う困難性に関しては途中経過である。患者が仕事を続けているかどうかにより移行に伴う本人の抵抗感に影響を及ぼしていること、いずれ移行になる可能性を予測して、シミュレーションを行うことにより抵抗感は軽減できる可能性があること、患者が高齢な場合、本人よりも家族の方が移行への抵抗感を強く持つ可能性が示唆されている。移行を想定しながらシミュレーションを行う時期をどのように判断するのか、という点が未だ明らかにできておらず、患者ならびに家族の認識と一致させながら移行を円滑に進めるために適切な時期を把握する判断基準を今後の分析から抽出させたいと考えている。移行が円滑に進んだ事例からの分析を積み上げることで、介入の適切な時期が明らかになると考える。また腹膜透析から血液透析への移行に関する説明が直前に実施された場合は、年齢ならびに社会的な背景に関わらず患者・家族に混乱を生じさせる可能性が大きいことは伺われ、シミュレーションを行う時期とも関係するが、腹膜透析の限界など導入時における看護に関しても合わせてガイドラインを明確にする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新設の看護学科の学科長として就任していることもあり、教育ならびに組織管理のために時間を割かれることを回避できない。そのため、研究協力依頼に医療機関へ訪問する時間も限られ、なかなか対象者を選定できない。さらに研究協力に同意して頂いた対象者との面接も日程調整が進まずに延期せざるを得ない状況にあり、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
学科開設から3年目を迎えるため研究者が所属している基礎看護学領域の授業科目は昨年度の段階で全て開講され、担当の臨地実習も実施したこともあり、教員間の打ち合わせ等に必要な時間を短縮できる見込みがある。また学科運営も開設後の1、2年目に比べて年間のスケジュールや実習に伴う会議・打ち合わせも少なくでき、必要とされる時間も短縮できる見込みがあり、研究に費やすことができる時間の確保は、かなり可能性が高い。また定期的な研究日の確保も毎週は難しくとも月1回は確実なものとしていくことができると考える。さらに学部全体としても、研究に費やす時間の確保に関して、FD等で取り組むこととし、教育と研究を両立できることを学部全体の課題として捉え、改善を図る方向に進んでいることもあり、研究を推進できる環境を整備できると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
面接によるデータ収集が途中であるため対象者数を増やして必要データ数を確保して結果の信頼性を高めることが必要であるから。
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次年度使用額の使用計画 |
○面接の逐語録作成に伴う人件費:300,000円 ○対象者との面接実施に伴う交通費:100,000円 ○分析の信頼性担保のために透析に精通している看護専門職者への協力への謝金:200,000円 ○ガイドラインによる試験的看護実践への協力機関への謝金:200,000円 ○ガイドラインの印刷:100,000円 ○USBなどの文具:100,000円
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