研究課題/領域番号 |
25670955
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
高田 幸江 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80529371)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体腎移植 / ドナー / 継続的支援システム / 看護 |
研究概要 |
本研究の目的は、生体腎移植ドナーの継続的看護支援システム構築に向けて、現在実践されている看護支援の内容を明らかにすることと、生体腎移植ドナーの看護支援ニーズを明らかにすることである。研究計画は3段階で構成され、看護支援の実態を明らかにするための、第1段階~第2段階調査、ドナーの看護支援ニーズを明らかにするための、第3段階の調査を計画している。下記に、本年度の実績について概要を記載する。 1.第1段階調査:2013年4月時点で日本臓器移植ネットワークに登録されていた152施設の腎移植病院に勤務する移植に関わる看護師を対象として、自記式郵送式質問調査を5月に実施した。101の返信を得て、そのうちの86名の回答を有効回答としてIBM SPSS Ver.19を用い解析を行い、看護支援実態を明らかにした。この結果の一部を、2013年10月18日に韓国で開催された 3rd WANS (World Academy of Nursing Science)にてポスター発表を行なった。 2.第2段階調査:第1段階調査の回答で生体腎移植ドナー看護について課題の自由記述があり、且つメール追加調査に応じることが可能と返信があったものを抽出し、課題と捉えた理由などを含め課題内容を深く探究する目的でメールによる追加質問調査を実施した。調査期間は2013年5月~7月、12名の内9名からの返信を得た。看護課題の自由記述は、内容分析を行った。第1段かおよび第2段階調査結果の一部を、2014年3月14日、第47回日本臨床腎移植学会にて、口演発表を行なった。学会発表内容は、日本臨床腎移植学会誌への投稿に向けて、準備を行なった。 3.第3段階調査:12月には、生体腎移植ドナーを紹介を依頼する病院の倫理審査を受け、2014年1月に承認を得た。3月には、生体腎移植ドナーを対象として、看護支援ニーズを明らかにする目的でインタビュー調査を開始した。本年度中は、1名の調査を終えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、第1段階調査および第2段階調査を終了し、第3段階調査に入ることを計画していた。第1段階の調査結果を、韓国で開催された3rd WANS にてポスター発表し、第2段階調査までの結果を、第47回日本臨床腎移植学会で口演発表を行なった。現在、第3段階調査に入り、生体腎移植ドナーのインタビュー調査1例を開始出来ており、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、生体腎移植ドナーを対象として、インタビューによる看護支援ニーズ調査を継続して実施する。対象目標数は7例程度であり、2014年度は6名の調査を実施する予定である。研究協力の状況に応じて、対象数は増減の可能性がある。第2段階調査までに得られた結果と、第3段階調査の結果を統合し、現状と課題を踏まえながら、生体腎移植ドナーの継続的看護支援の内容と方法を考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
第2段階調査は、看護師のインタビューを計画していたため、調査施設までの旅費やインタビュー内容の逐語録おこしなどのための支出を計上していた。調査を早期に効率よく進めるために、メールによる調査を実施したことにより、旅費の削減につながった。またメールによる回答は逐語録おこしの必要が無く、業者依頼をしなくても分析が可能となったため、使用額が減額となった。 第3段階調査の生体腎移植ドナーを対象としたインタビュー調査を継続して実施する。インタビュー内容はICレコーダーに録音し、逐語録とするため、業者依頼を行う。成果の公表に当たり、学会発表の他、論文投稿を行なう予定である。なお、調査方法の変更によって生じた経費は、第3段階調査対象者数を増やす、あるいは他施設で生体腎移植を実施したドナーを対象とすることで、多様なニーズを把握する一助にすることを計画している。
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