研究課題/領域番号 |
25670957
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
寺口 佐與子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (30434674)
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研究分担者 |
稲本 俊 天理医療大学, 医療学部, 教授 (10135577)
永田 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30401764)
磯見 智恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40334841)
赤澤 千春 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70324689)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リンパ浮腫 / 乳がん / 体重増減 / 肥満 / ホルモン剤 |
研究実績の概要 |
本研究は,乳がん患者の術前・術後における体重増減とリンパ浮腫発症との関係を明らかにし,周術期を通してリンパ浮腫発症予防プログラムを開発することを目的とした。 第1段階では、乳がん術後リンパ浮腫発症患者の体重増減とリンパ浮腫発症前後の日常生活について質的統合を行った。第2段階では、縦断調査による量的統合を行った。第1段階の結果を基に、体重増減の構成要素となった「ホルモン剤の投与」「術前からの肥満」のリスク因子のある乳がん術後患者を対象に体重変化とリンパ浮腫発症に影響する要因の調査を実施し、体重増減に係るリンパ浮腫発症予防プログラムの構成概念を明らかにした。第1段階では、乳がん術後にリンパ浮腫を発症した患者8名の体重増減に係る日常生活とリンパ浮腫発症について質的記述的分析を実施した。体重増減を意識していた者は習慣的な体重測定や食事や運動などの日常生活を意識的に送っていた。一方、体重増減の意識がなかった者は体重管理を行っておらず10キロ以上の体重増加が見られる者がいた。また、術後ホルモン剤の投与をきっかけに食欲が増加し、体重増加につながった、ホルモン剤の副作用の自覚から活動が減ったことなどを自覚していた。第2段階では、乳がん術後ホルモン剤を投与中の術後早期の50名を対象に体重変化とリンパ浮腫発症に影響する日常生活について9ヶ月~1年半の縦断調査を実施した。術後ホルモン剤投与中に体重増加を示すものが多くみられ、ホルモン剤を変更するなど2剤以上使用した患者および術前から肥満のある患者はより体重増加の傾向にあった。また、体重増加の自覚や体重増加があるものが上肢の周囲径や体組成においてリンパ浮腫の前兆があることが明らかとなった。今後、これらの体重増加と浮腫発症の構成要素を取り入れたリンパ浮腫予防プログラムを用いて、術前および術後早期から継続的に体重変化を確認していく必要がある。
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