「研究の目的」本研究の目的は、1.フライトナースの事業内容および教育の実態を把握する、2.救急ナースとフライトナースの特性について把握する、3.期待されるフライトナースの役割とその教育方法について調査することであった。 「研究実施計画」1.フライトナースの業務について実態調査:フライトナースの業務は、フライト業務と救急外来業務の併任であることが多く、フライトのない時は、積極的に後輩指導にあたるなど行っていた。2.フライトナースの教育について実態調査:日本航空医療学会の示す選択基準に準じフライトナースを選出していた。教育内容は、個人でコースを受講し知識と技術を積むほか、現フライトナースとのOJT訓練、事例によるシミュレーションなど実施していた。3.フライトナースに必要な能力について面接調査(面接対象:①フライトナース、②フライトドクター、③救急隊員):①フライトナース自身による、フライトナースに必要な能力については3カテゴリー<救急看護を行うための知識・技術><フライトチームとして院外活動をするための知識・技術><フライトナース育成に向けてのシステムつくり>が抽出された。②フライトドクターが思うフライトナースに必要な能力は4カテゴリー<早期治療および搬送を可能にする知識・技術・コミュニケーション・サポート力><ドクターヘリの質の向上に不可欠なフライトナースの社会的地位の確立とその施設間の差><ノンテクニカルスキルを含む教育とその評価の困難性><諸外国のフライト事情とフライト要員>が抽出された。③救急隊員によるフライトナースに必要な能力として語られたのは、4カテゴリー<ドクヘリと防災ヘリの活動理解><医師に代わる情報収集とそれを判断する力><相手を受け入れ相手を補うコミュニケーションスキル><お互いの役割を発揮させる力>が抽出された。
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